その他令和7年7月1日
国家公務員人事管理の在り方に関する提言
号外p.42
号外p.42
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42
(告 11 1968
27 日數 日數 日數年 日本人數
国家公務員の人事管理は、この状況変化に十分応えられていない。人事・給与制度の複雑さに
加え、長期雇用を前提とし採用年次を重視してきた。育成・成長への投資など一人一人の職員
また、国家公務員の人事管理は府省ごとに行われることから、明確化された国家公務員
に向き合ったマネジメントが十分なされていない。国家公務員として働くことの意義や使命が
全体に求められる行動を踏まえ、それぞれの組織が目指す方向性や重視する価値を明確に
公務内外に伝わっておらず、パフォーマンスに応じた処遇がタイムリーかつ適切になされてい
し、多様な人材が共通の目的意識を持ちながら働ける環境を整備することが不可欠である。
既に複数の府省では、組織として目指す方向性や重視する価値をミッション・ビジョン・
ない。
バリュー(MVV)として定めており、有効な手法と考えられる。各府省はMVVを定め
国家公務員を大幅に増加させることは難しい。こうした中で、複雑化・高度化する行政課題
た上で、これに沿った職員の行動を組織としてどのように引き出し、職員個人の業績や組
に対応していくためには、人材に「投資」して、そのパフォーマンスを最大限に発揮できるよ
織としての成果と結び付けていくかを考える必要がある。そのためには,MVVを踏まえ
うにし、一人一人の仕事の付加価値を高めることにより組織の生産性を高めていく発想に転換
たマネジメントを当然のことと考える組織風土を目指していくことも重要である。
しなければならない。こうした変革は、人事行政を司る人事院と内閣人事局が旗振り役となる
こうした国家公務員全体に求められる行動と各府省が目指す方向性・重視する価値の明
ことはもちろんであるが、人事の現場に責任を持つ各府省も含め政府全体で推進していくこと
確化は、それらに魅力を感じる多様な人材を公務に呼び込むことにも資するため、優秀な
が不可欠である。関係者が人材確保の危機感を共有し、一体となって、新時代にふさわしい人
人材の採用・定着にもつながると考えられる。
材マネジメントにパラダイムシフトを起こす必要がある。
そして、幹部・管理職員のマネジメントの質を向上させ、組織全体で勤務環境の整備を
当会議は、令和5年9月以降、国家公務員人事管理の在り方について課題横断的に議論を行
行い、働きがいと成長実感を持てる公務組織となるよう更なる変革を進め、ワークエンゲー
い、人材マネジメント改革をパッケージで提言するに至った。第章において課題への対応の
ジメントを向上させていくことが、個々の職員のパフォーマンスを更に向上させていくこ
方向性、章において具体策を示している。国家公務員には多様な職務・職域が存在するこ
ととなる。
とに留意し、国家公務員全体で共通するものと、特定の職務・職域を対象にするものとを分け
て提言している。
あわせて、採用手法の改善や戦略的な公務の魅力の向上と発信についても、あらゆる国
家公務員の人材確保が危機的状況にある目下の課題として取り組むべき喫緊の課題であ
国家公務員がより一層高いパフォーマンスをあげること、その効果は国民や社会に還元され
る。
る。今回提言する人材マネジメント改革は、国家公務員のためだけではなく、国民のため、日
本のためでもある。
3特定の職務・職域を対象に先んじて対応すべき人事管理の変革
今の日本を、そして未来を支える公務であり続けるために、真の改革に挑む時である。
優秀な人材が魅力と捉えるような、採用の種類や年次に縛られない実力本位の人事管理
を実現するためには、職務の競易度・責任の重さに見合った給与を実現し、外部労働市場
国家公務員人事管理の課題解決に向けた対応の方向性
に見劣りしない報酬水準とすることが求められる。また、職員が能力・実績に基づき適切
な処遇を受けるには、評価と処遇が結び付いていなければならず、そのためにメリハリと
1新時代にふさわしい人事管理へのパラダイムシフト
納得性のある人事評価の運用を実現する必要がある。さらに、政策の企画や立案、調整等
の遂行能力を高めていくためには、幅広い人材から弾力的な登用・抜てきを行いやすくす
近年、社会経済の前提が大きく変化しており、公務においても、年功的な人事管理の見
るよう、給与や人事評価の在り方とともに、任用の在り方も見直す必要がある。
直しやマネジメントの改善に向けた取組が行われてきたが、急速な変化に十分対応できて
いるとはいえない。限られた人的資本で最大のパフォーマンスを発揮するためには、新た
こうした見直しは、約30万人の多様な職務・職域の国家公務員に対して、一度に講じる
な時代にふさわしい人事管理にパラダイムシフトしていく必要がある。
ことは困難である。そこで、中間報告」で整理したとおり、まずは本府省を中心に政策の
企画や立案、高度な調整等を担う国家公務員を対象に講じることが適当であると考えられ
また、組織としてのパフォーマンスを最大化するためには、職員の価値観やキャリアに
る。
対する考え方が多様化する状況を踏まえ、個々の職員がとる行動の方向性と組織の目的や
方向性とを一致させていくことも求められる。
(1)等級・報酬・評価の在るべき姿
実力本位で活躍できる公務を実現していくためには、職務の難易度・責任の重さに見
そして、個々の職員がパフォーマンスを更に発揮できるようにするためには、幹部・管
合った給与を実現することが必要である。そのためには、採用の種類や年次ではなく職
理職員が職員の育成の重要性を十分に理解しマネジメントスキルを磨くとともに、組織全
務の難易度や責任の重さを基準とする給与制度・運用(以下「職務基準の給与制度・運
体で働きがいと成長実感を持てる公務組織となるよう更なる変革を進め、職員のワークエ
用」という。)を徹底していくことが求められる。
ンゲージメントを向上させていくことが求められる。加えて、近時、足下で起きている公
務志望者の減少に伴う人材確保難に対応していくためには、採用手法の改善にも取り組ん
現在の給与制度においては、任用される職制上の段階(役職)と職務の級(給与等級)
でいく必要がある。
が必ずしも厳格に対応していない。制度上は職務給原則がうたわれているものの、同じ
職務・職責のポストに任用されても、職員に適用される職務の級が異なるケースが生じ
多様な職務・職域が存在する国家公務員においては、人事管理に関する課題が職務・職
ており、運用面では年功的な色合いが濃い。したがって、まずは等級制度について、採
域ごとに異なっている。そこで本提言では、国家公務員全体で共通する課題と、特定の職
用の種類や年次に縛られず、ポストごとの職務・職責に対応した職務の級が職員に適用
務・職域において先んじて対処していく必要がある課題とを分けた上で、旅策を提言する。
できるよう、給与制度・運用を見直すべきである。
また、ここで提言する施策に関しては、府省等によって人事管理に関する課題が異なると
考えられることから、可能な限り、各府省がニーズを踏まえて順次、柔軟に講じることが
また、一つの組織で定年まで働くことを当然と考えない者は、給与水準についても外
できる形式としていくことが適当である。
部労働市場を意識している。そのため、職務基準の給与制度・運用には、ボストの職務・
職責と給与等級が一致していることのみでなく、報酬水準そのものが外部労働市場との
2国家公務員全体に共通する人事管理の変革
比較の中で適切であることも求められる。人材確保の観点から、ポストの職務・職責に
対応した職務の級が職員に適用され、報酬水準が民間企業などの外部労働市場との比較
外部環境の変化が激しい時代において、意欲的に働ける公務組織を実現していくために
の中で見劣りする状況に対応する必要がある。
は、 また、
国家公務員は所属する府省や一部の利害を偏重せず。国や国民全体を視野に入れ、意欲的
そして、こうした実力本位の人事管理を徹底していくためには、納得性の高い人事評
に働く必要がある。
価も伴っていなければならない。
そのため、まず、国民から信頼される国家公務員としての使命を、職務を遂行する際の
人事評価の結果により、抜てき・登用する候補者を能力面でスクリーニングした上で、
前提として、明確化する必要がある。一人一人の国家公務員が、国民全体の奉仕者として
ボストに求められる適性を有する者を機動的に配置することが職務基準の人事運営の大
公務全体のパフォーマンス向上に資する働き方をするために通底する要素を示すことで、
前提である。民間企業における評価の取組を参考にしつつ、メリハリと納得性のある人
国民と国家公務員との間の信頼関係をより強固なものとしていく必要がある。
事評価の運用を実現することが職務基準の人事運営の実現に不可欠である。
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