告示令和7年1月16日

資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針の制定について

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令和7年1月16日
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発行機関環境省
省庁環境省

号外第 8 号

令和7年1月16日木曜日

官 報

(号  外)

告  示

環境省告示

第二号

資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(令和六年法律第四十一号)第三条第一項の規定に基づき、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針を次のように定め、令和七年二月一日から施行する。

令和七年一月十六日     環境大臣 浅尾慶一郎

資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針

かつて、我が国の廃棄物処理は、戦後の経済発展を優先する中で、「安かろう悪かろう」という処理により、廃棄物の不法投棄など不適正な事案が発生し、深刻な環境上の問題を抱え込む社会構造をもたらしていた。これらの状況を打開するため、我が国では、廃棄物処理において、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)における排出事業者責任の強化、適正処理の確保等を通じて、地方公共団体、廃棄物処理業者、事業者、国民・市民による適正処理への取組が着実に進められ、生活環境の保全及び公衆衛生の向上が図られるとともに、各種リサイクル法に基づく取組をはじめ、資源の効率的・循環的な利用を推進し、及び強化してきた。

天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される循環型社会の形成に向けて、生活環境の保全及び公衆衛生の向上の観点から不可欠となる廃棄物の適正処理を前提としつつ、廃棄物の循環利用の促進など資源循環の促進のための施策を社会全体で総合的かつ計画的に推進してきたところであるが、近年、資源循環を取り巻く状況は更に進展しており、循環型社会の形成のほか、脱炭素社会の実現の観点からも資源循環の重要性が注目されているところである。

この点、令和四年度の我が国の温室効果ガスの排出量は、約十億八千五百万トンとなっており、このうち、廃棄物分野からの排出は約三千七百万トン(約三・四%)を占めている。

また、我が国の温室効果ガスの排出量の約三十六%は、資源循環が排出削減に貢献できる余地がある製造業、貨物の運輸、工業プロセス、製品の使用等の部門からの排出となっているとの試算もある。

このような背景を踏まえ、中央環境審議会循環型社会部会において、廃棄物・資源循環分野の二〇五〇年ネット・ゼロの達成に向け、温室効果ガスの排出削減対策の実施に当たっての基本的な考え方を整理し、今後、国、地方公共団体、民間企業、NGO、国民等の各主体が取り組むべき方向性を明らかにすることを目的として、令和三年八月に「廃棄物・資源循環分野における2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた中長期シナリオ(案)」について議論が行われ、廃棄物・資源循環分野の二〇五〇年ネット・ゼロの達成には、これまでの計画等の延長線上の対策では不十分であり、資源循環の取組の強化等が必要であることが明らかとなった。

さらに、国連環境計画国際資源パネル(UNEP IRP)の「世界資源アウトルック2024」では、世界の天然資源の採取と加工が、地球全体の温室効果ガス排出量の要因の五十五%以上、陸域の生物多様性の損失と水ストレスの要因の九十%以上、粒子状物質による健康影響の要因の最大四十%を占めており、これらの採取・加工による気候及び生物多様性への影響は、気候変動を一・五度未満に抑制し生物多様性の損失を防ぐための目標をはるかに超過していると指摘されている。また、令和五年三月三十一日に閣議決定された「生物多様性国家戦略2023-2030」では、二〇三〇年までに、「ネイチャーポジティブ(自然再興)」を実現する目標を設定し、これまでの生物多様性の保全のための施策に加え、気候変動や資源循環等の様々な分野の施策と連携することとされている。

したがって、資源効率性・循環性を向上させ天然資源の消費の抑制を進める取組は気候変動対策や生物多様性保全をはじめとする環境負荷削減策としても極めて重要である。二〇二四年三月の第六回国連環境総会では、このような相乗効果(シナジー)を推進する決議を日本が提案し、採択されたところである。

循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行により循環型社会を形成することは、我が国が直面する環境・経済・社会それぞれの課題を解決しながら新たな市場を作り国民の暮らしを改善して現在及び将来の国民一人一人の「ウェルビーイング/高い生活の質」を高めるものであり、持続可能な社会を実現し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためにも重要である。

加えて、第五次循環型社会形成推進基本計画(令和六年八月二日閣議決定)において、一方通行型の線形経済から、持続可能な形で資源を効率的・循環的に有効利用する循環経済へ移行することにより、資源生産性・循環利用率を高める取組を一段と強化することとされているところ、我が国は、二〇三〇年までに、循環経済関連ビジネスの市場規模を八十兆円以上に拡大することを目指すという目標を掲げており、資源循環は、今後大きな経済効果を生む可能性があるものとして、成長が期待される分野となっている。また、金属、エネルギー等の貴重な資源の多くを輸入に依存している我が国において、リチウム、ニッケル等の今後需給が逼迫する見込みとなっている一部の金属について国内での資源循環を加速することで、資源の自給率向上につなげ、経済安全保障に貢献することも重要である。

このような背景を踏まえれば、温室効果ガスの排出量の削減の効果が高い資源循環の促進を図るため、再資源化のための廃棄物の収集、運搬及び処分の事業並びに再資源化の実施に用いられる技術及び設備の高度化を促進するための措置等を講ずることにより、環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することが重要である。

我が国は、強固な廃棄物処理の仕組みやリサイクル技術、ものづくり産業の対応力に強みを有している。その上で、循環経済への移行により、廃棄物の素材や製品の特性を踏まえつつ、求められる質・量の再生部品又は再生資源を再び製造事業者等(物の製造、加工又は販売の事業を行う者をいう。以下同じ。)に届け、これを活用する仕組みが必要である。使用済製品等の解体、破砕、選別等のリサイクルの高度化、素材のバイオマス化、再生部品又は再生資源の利用促進、急速に普及が進む新製品・新素材についての3R+Renewableの確立、循環経済関連の新たなビジネスモデルの地域及び社会全体への普及等に向けて必要な技術開発などが実施されているほか、資源循環に係る情報共有のためのデジタルプラットフォームの構築に向けた実証的取組が進められている。産官学が連携しながら、資源循環の促進のために必要な様々な技術開発、技術実証等を進め、それらを社会に実装していくことが必要である。

こうした連携に当たっては、より良い資源の確保や再生部品、再生資源又は再生エネルギーの供給の観点から、関連する事業者間のネットワーク化・集積化による効率の向上も考慮されることが求められる。また、こうした資源循環を力強く進めるため、資源循環・廃棄物処理業の成長と底上げや、環境価値の可視化等を通じた国民・消費者の主体的な意識変革や行動変容につなげていくことも重要である。

廃棄物・資源循環分野の二〇五〇年ネット・ゼロの達成に向けては、廃棄物分野に加え、資源循環を通じた製造事業者等のカーボンニュートラル化にも貢献する仕組みが必要である。循環経済への移行を通じて、資源の効率的利用、長期的利用や循環利用、ライフサイクル全体での化学物質や廃棄物の適正管理を進めることにより新たな天然資源の投入量・消費量の抑制等を図ることが資源の採取時等における生物多様性や大気、水、土壌等の保全、自然環境や水ストレスへの影響を低減するという観点も重要である。

金属等の経済活動において重要な資源については、世界的な需要の増大による需給の逼迫、供給国の偏り等により、資源自給率の低い我が国にとって調達リスクが増大する可能性が存在するため、資源循環の高度化を通じた重要資源の安定確保に資する仕組みが必要である。

また、リユース品や修理サービス、各地域での資源循環の取組により生産された再生部品又は再生資源や再生可能資源を用いた製品等の利用を促進し、地域コミュニティの再生や雇用の創出、地場産業の振興につなげていくことも重要である。地域の循環資源(廃棄物等のうち有用なものをいう。以下同じ。)の活用や資源循環を志向する先進地域が存在しており、こうした地域を拡大していくことが必要である。また、我が国の人口減少や少子高齢化等に伴う廃棄物の排出量の減少や質の変化への対応も進めていく必要がある。さらに、資源循環・廃棄物処理業界における人材の確保が必要なほか、地方公共団体における財政的な制約も高まっている。このため、市民の協力も得ながら、地方公共団体、リサイクル技術を有する事業者及び地域の処理業者が連携・協力した事業を通じて地域活性化への貢献や地域課題への対応につなげることが必要である。

このような認識の下、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(令和六年法律第四十一号。以下「法」という。)第三条第一項の規定に基づき、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものである。

一 資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する基本的方向

適正処理による生活環境の保全及び公衆衛生の向上を前提とした上で、国民・消費者の協力を得つつ、産官学が連携しながら、循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)に規定する基本原則を踏まえ、質・量両面での資源循環の高度化を推進し、脱炭素化や自然再興、産業競争力強化、経済安全保障といった社会課題の解決、地方創生につなげることが重要である。

このため、我が国の強み(高い技術力、3Rの取組、様々な経験に基づく制度等)を活用しつつ、左記の役割分担の下で、関係者が積極的に取組を進めることで高度な資源循環を行い、その循環された資源を国内で活用することで、国内での資源確保につなげ、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷が最小化された循環型社会を実現する。

国は、製造事業者等と廃棄物処分業者(動静脈)の連携による資源循環を促進するため必要な措置を講ずるよう努める。具体的には、資源循環において主たる役割を担う廃棄物処分業者が提供可能な再生部品又は再生資源の質・量を製造事業者等が把握できるよう、廃棄物処分業者の再資源化の実施の状況等の必要な情報を集約し、公表する情報基盤を整備する。また、再生部品又は再生資源の利用拡大と安定供給、品質に関する共通認識の醸成や研究開発を促進するとともに、国内で資源を最大限循環させ、重要鉱物などの供給を増やすことは国際的な産業競争力や経済安全保障の強化にも資することから、我が国の再資源化技術・設備を最大限活用し、再生部品又は再生資源が製造業側に安定的に供給されるよう、再資源化事業等の高度化に関する施策等を推進するとともに、中長期的に強靱な資源循環市場の創出を支援する。このほか、地方公共団体、廃棄物処分業者、事業者、研究機関その他の関係者の取組を進めるため、関係者間の連携が実現している先進的事例や地域の優良な取組事例の収集・発信、製造事業者等と廃棄物処分業者の対話・コミュニケーションの促進や必要な技術的支援を行うよう努めるものとする。国自らも事業者として、再生部品又は再生資源利用製品の優先的な調達など、循環型社会の形成に向けた行動を率先して実行する。

地方公共団体は、引き続き廃棄物処理法に基づく廃棄物の着実な適正処理等に係る重要な役割を果たすとともに、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化を促進するよう地域の市民、廃棄物処分業者、事業者、NPO・NGO等の各主体間の連携・協働を促進するコーディネーター役として地域の循環資源や再生可能資源を活用した資源循環システムを構築し、それらの取組について情報発信を行い、その活用を促進するなど必要な措置を講ずるよう努めるものとする。国と同様に、地方公共団体自らも事業者として、また地域の環境保全と産業振興を促進する立場から、再生部品又は再生資源利用製品の優先的な調達など、循環型社会の形成に向けた行動を率先して実行することが期待される。また、地方公共団体は、一般廃棄物の統括的な処理責任を負う市町村と主として産業廃棄物の再資源化を含めた適正処理を監督する都道府県とそれぞれ役割がある。市町村は、地域住民の理解を得ながら一般廃棄物の分別収集を進めることで再資源化が容易となる同じ性状・種類の廃棄物について、高度な再資源化が可能な廃棄物処分業者に委託するなどにより再資源化を進めるとともに、焼却や最終処分等をしなければならない廃棄物の処分量の軽減に努める。あわせて、一市町村では資源循環に必要な廃棄物を確保できないなどの場合には、複数の市町村が連携し、再資源化が可能な廃棄物処分業者に再資源化を委託するなど、地域の再資源化の取組が不十分な廃棄物について再資源化の実施を促進する。都道府県は広域的な観点から管下の市町村等の調整機能を果たすことが、市町村は地域単位での住民の生活に密着した循環システムを構築することが求められる。一市町村による取組では循環システムの構築が困難な場合には、都道府県が主導して市町村と積極的に連携し、より広域での資源循環システムの構築に向けた取組を推進することが重要である。また、地方公共団体は、高度な再資源化が可能な廃棄物処分業者について、優良産廃処理業者認定制度等を通じて育成する。

廃棄物処分業者は、資源循環において主たる役割を担うため、①生活環境の保全と公衆衛生の向上を前提とした上で、廃棄物を地域の貴重な資源として捉え、地域の活性化や個性のある地域の創出の観点も踏まえ、循環資源を安全性に留意しつつ積極的に回収するように努めること、②製造事業者側等における再生部品又は再生資源の需要や再生部品又は再生資源利用率の把握に努めること、③再資源化の実施の状況の開示に努めること、④再資源化事業等における温室効果ガス排出量の削減に努めること、⑤再資源化事業等の高度化及び再資源化の実施に必要な措置を講ずるよう努めることとする。また、廃棄物処分業者が所属する団体の取組を通じて、これらの廃棄物処分業者全体の取組をより深化させていく。

事業者は、①その事業活動に伴って生じた廃棄物を分別して排出するとともに、その再資源化を実施するよう努めること、②物の製造、加工又は販売の事業を行うに当たっては、再資源化の実施が困難とならないよう、原材料の選択を含め、その製品が廃棄物となった場合における有用なものの分離を容易にするとともに、原材料素材の表示等の必要な措置を講ずるよう努めること、③天然資源の消費を抑制する観点から、その事業に係る製品に再生部品又は再生資源を利用するとともに、その情報発信に努めること、④需要に応じた資源循環を促進するよう努めることとする。

国民・消費者は、各主体の取組を踏まえ、地方公共団体の定めたルールに従って行う適切な分別排出や資源回収、リユース品や修理サービスの活用など資源循環の取組について理解を深め、実施するとともに、商品の購入に当たっては再生部品又は再生資源利用製品を選択するなど、生活者としての主体的な意識改革や行動変容に努めることとする。

こうした各主体の取組による質・量両面での資源循環の高度化により、二〇五〇年ネット・ゼロや二〇三〇年ネイチャーポジティブの実現に貢献するとともに、再生部品又は再生資源の質・量の確保を通じ、再生部品又は再生資源の用途拡大・利用による新たな価値の創出につなげ、産業競争力の強化に貢献する。さらに、バリューチェーンの強靱化による経済安全保障の確保、地域の活性化や個性のある地域の創出に貢献していく。

二 再資源化事業等の高度化のための措置の実施に関する基本的事項

資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する基本的方向性を踏まえ、再資源化事業等の高度化のための措置の実施に関する基本的事項を定める。

法では、再資源化事業等の高度化について、主に三つの方向性を示しているため、それら三つの方向性について基本的事項を定めることとする。

1 再資源化事業の効率的な実施のための措置

製造事業者等と廃棄物処分業者の連携による無駄のない資源循環をはじめ、製品のライフサイクル全体で無駄のない資源循環を促進することは、循環型社会のみならず、脱炭素社会の実現のためにも重要である。

また、製造事業者等と廃棄物処分業者の連携に当たっては、これまでの先進的な取組等を通じて培ってきた高い技術力を一層効果的に活用することにより、市場に新たな価値を創出していくことが重要である。

このような認識を国、地方公共団体、廃棄物処分業者及び事業者が共有し、関係者が相互に連携して取組を積極的に進めることが重要である。特に、製造事業者等と廃棄物処分業者で再生部品又は再生資源の利用目標を共有しつつ、トレーサビリティを確保するために必要なデータ連携を実施することが重要である。

国は、高度再資源化事業の認定を迅速かつ適確に行うことにより、資源循環において主たる役割を担う廃棄物処分業者が、製造事業者等と連携して実施する先進的な再資源化事業を支援するほか、産業廃棄物処分業者の再資源化の実施の状況の公表や事例集の作成等を通じて、製造事業者等と廃棄物処分業者の連携を促進する。その際、製品の安全性の確保、有害物質のリスク管理、不法投棄、不適正処理の防止等の観点にも留意し、各主体による適正な取組を促進する。また、製造事業者等と廃棄物処分業者のマッチングやトレーサビリティ確保など、情報の共有による主体間の連携強化のために必要な取組の一層の具体化を進める。

地方公共団体は、国が公表する再資源化の実施の状況を周知するなど、その域内で製造事業者等と廃棄物処分業者の連携を促進する。また、地域の資源循環の可能性を見いだし、それに取り組む人材や企業の支援等を関係主体と連携して進めるよう努める。

廃棄物処分業者は、資源循環において主たる役割を担うという認識の下、再資源化の実施に当たっては、あらかじめその供給先を想定し、当該供給先の需要に応じた再生部品又は再生資源を供給するための体制の整備等に取り組むよう努める。また、再生部品又は再生資源の供給を行う場合には、製造事業者等に対して再生部品又は再生資源に関する情報を提供するとともに、必要とされる再生部品又は再生資源の質及び量の情報などに関して意思疎通を図るよう努める。

事業者は、その製品に再生部品又は再生資源が活用できるよう技術の開発に努めるとともに、国が公表する再資源化の実施の状況等を参照し、再生部品又は再生資源の調達を行う場合には、廃棄物処分業者に対して必要となる再生部品又は再生資源の質及び量の情報を提供するなど意思疎通を図るよう努める。

2 再資源化の生産性の向上のための措置

脱炭素社会の実現のためには、廃棄物分野に起因する主な温室効果ガスの排出源である焼却処分又は埋立処分を抑制するとともに、再生部品又は再生資源が天然資源等を代替してその投入や輸送に伴う温室効果ガス排出量を抑制することが重要であり、このためには、従来再資源化が困難であった廃棄物についても、これを可能としていく必要がある。また、資源に制約のある我が国では、特に需給の逼迫が見込まれる金属や化石資源等を資源循環により最大限有効に利用することも重要である。このため、技術の向上等により、再資源化の生産性の向上を促進していく必要がある。

国は、高度分離・回収事業の認定による再資源化技術の向上を支援するほか、高度分離・回収事業の対象となる廃棄物を、再資源化の需要や廃棄物の構成等を踏まえ迅速かつ適確に指定することで、先進的な高度分離・回収事業を効果的に進める。

地方公共団体は、国が公表する事例集を参照しつつ、資源循環において主たる役割を担う廃棄物処分業者による廃棄物から有用なものを適確に選別し、再資源化の実施の工程で得られる再生部品又は再生資源の量を増加させるための取組を促進する。また、市町村は、自ら行う再資源化の実施の工程で得られる再生部品又は再生資源の量を増加させるよう努める。その際、必要に応じて、廃棄物処分業者委託などの活用も検討する。

廃棄物処分業者は、処分を受託した廃棄物から有用なものを適確に選別し、また、再資源化の実施の工程で得られる再生部品又は再生資源の量を増加させるための技術の向上を図るよう努める。

事業者は、再資源化の実施が困難とならないよう、その製品が廃棄物となった場合における有用なものの分離を容易にするよう努めること。また、廃棄物の処分を委託する際には、廃棄物処分業者に対して性状等に関する情報を提供するなど、廃棄物処分業者の再資源化の実施により得られる再生部品又は再生資源の量の増加に資するよう努める。

3 再資源化の実施の工程から排出される温室効果ガスの量の削減のための措置

国際的に製品のライフサイクル全体での温室効果ガスの排出量を評価する動きがあるなど、再資源化の実施を促進するのみならず、再資源化の実施の工程自体も脱炭素化していくことが重要である。

国は、再資源化工程の高度化の認定や、認定の事例集を作成し周知することで、廃棄物処理施設の脱炭素化を促進する。また、再資源化の実施による製造事業者等の事業活動に係る温室効果ガス削減効果をライフサイクル全体で適正に評価するための評価ツールを検討する。

地方公共団体は、国が公表する事例集を参照しつつ、その域内で廃棄物処分業者の行う再資源化の実施の工程から排出される温室効果ガスの量の削減の取組を促す。市町村は、自ら行う再資源化の実施の工程から排出される温室効果ガスの量の削減を図るよう努める。

廃棄物処分業者は、破砕から成形までの再資源化の実施の工程の合理化、廃棄物処理施設への脱炭素化に資する設備の導入、再資源化の実施に当たっての廃棄物処理施設の運転状況の改善等に努める。

事業者は、再資源化の実施の工程から排出される温室効果ガスの量の抑制にも寄与することも踏まえ、再資源化の実施が困難とならないよう、その製品が廃棄物となった場合における有用なものの分離を容易にするよう努める。また、廃棄物の処分を委託するに当たっては、製品のライフサイクル全体の脱炭素化の観点を踏まえ、再資源化の実施の工程の脱炭素化に取り組む廃棄物処分業者を選定するよう努める。

三 処分を行う廃棄物の数量に占める再資源化を実施すべき量の割合に関する目標等

法に基づく認定制度の施行から三年の間に、国が高度な資源循環の取組に対して、百件以上の認定を行うなど、再生部品又は再生資源の質と量の確保等の資源循環の取組を一体的に促進するための措置を講じ、第五次循環型社会形成推進基本計画その他の施策と合わせて達成を目指していく、処分を行う廃棄物の数量に占める再資源化を実施すべき量の割合に関する目標等は、以下のとおりとする。加えて、政府目標である二〇三〇年までのプラスチックの再生利用(再生素材の利用)の倍増、金属リサイクル原料の処理量倍増を目指す。なお、国は、再資源化事業等の高度化のための措置が目標等に及ぼす効果の推定や検証を行うとともに、関係者間の情報共有を推進するものとする。

1 二〇三〇年度の循環利用率

入口側:約十九%

出口側:約四十四%

2 二〇三〇年度の資源生産性(一定量当たりの天然資源等投入量から生み出される実質国内総生産(実質GDP))

約六十万円/トン

3 二〇三〇年度の一人当たり天然資源消費量(マテリアルフットプリント)

約十一トン/人・年

4 二〇三〇年度の廃棄物の最終処分量

一般廃棄物の最終処分量:約三百二十万トン(二〇二二年度比約五%削減)

産業廃棄物の最終処分量:約七百八十万トン(二〇二二度比約十%削減)

5 二〇三〇年度の温室効果ガス排出量(参考値)

廃棄物部門由来:約二千九百万トン-CO2/年

循環経済への移行に関わる部門由来:約三億四千三百万トン-CO2/年

6 素材別の再資源化に係る目標等

⑴ レアメタル、ベースメタル等

金属リサイクル原料:処理量を二〇三〇年度までに倍増する。

廃家電:二〇三〇年度までに四品目(廃エアコン、廃テレビ、廃冷蔵庫・冷凍庫、廃洗濯機・衣類乾燥機)合計の回収率七十・九%以上(廃エアコンについては五十三・九%以上)とする。

電子スクラップ(e-scrap):二〇三〇年までにリサイクル処理量約五十万トン(二〇二〇年比五割増)とする。

小型二次電池:生産者による安全な回収及び再資源化を推進する。

⑵ プラスチック

プラスチック資源循環戦略(令和元年五月三十一日策定)のマイルストーン:二〇三〇年までに、ワンウェイのプラスチック(容器包装等)を累積で二十五%排出抑制するよう目指す。また、二〇三〇年までに、プラスチックの再生利用(再生素材の利用)の倍増を目指す。

再生プラスチック:二〇三〇年度までに「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(令和五年十二月二十二日閣議決定)に位置づけられる全ての特定調達品目に原則として再生プラスチック利用率等の循環性基準を導入するなど、市場ルールを形成する。

⑶ バイオマス

バイオマス活用推進基本計画(令和四年九月六日閣議決定)の目標:二〇三〇年までに、バイオマスの年間産出量の約八十%を利用することを目標とする。

⑷ 土石、建設材料

建設廃棄物:建設混合廃棄物を含め建設廃棄物の再資源化を促進するとともに、適切に再資源化等がされるよう再生部品又は再生資源の新規用途の開拓や拡充等を促進する。

製造プロセス等における副産物:可能な限り有効利用を図る。

四 その他資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する重要事項

このほか、再資源化事業等の高度化のため、国は、次の取組を進めるものとする。

循環型社会については、廃棄物の処理が国、地方公共団体、排出事業者、廃棄物処分業者等が適切な役割分担の下、引き続き適正処理の確保を前提とした社会の基盤として機能することをもって初めて存立し得るものである。再資源化事業等の高度化は、適正処理による生活環境の保全及び公衆衛生の向上が前提であり、可能な限り再資源化の実施を促進することにより最終処分量は最小化させつつも、最終処分せざるを得ないものは生じることから、廃棄物処理法の遵守による適正な処分を進めるとともに、生活環境の保全上の措置が講じられた最終処分場が適切に確保されるように、関係者が連携して、関係法令の対応も含めて必要な措置を講ずる。また、これらの最終処分場の延命化・確保のためにも資源循環の更なる促進に取り組む。

法に基づく認定制度においては、認定から指導・監督まで、国の責任においてその事務を行う。審査・認定については国が全面的に責任をもって行うものの、認定に際して地域の特性に応じた知見の共有など、地域の実情を把握している地方公共団体の協力は必要不可欠であり、地方公共団体と緊密に連携して対応していく。

「循環経済パートナーシップ(J4CE)」や「サーキュラーパートナーズ(CPs)」など様々な主体間の連携を促進するネットワークを活用し、先進的な取組事例の共有・発信、ビジネスマッチングの実施、様々な主体によるコミュニケーションの促進等を通じて、産官学の幅広い主体の連携を促進する。

再資源化事業等の高度化に当たって、廃棄物処理・資源循環行政や資源循環・廃棄物処理業の担い手を確保するため、廃棄物処理や資源循環に関する専門的な知見を持ち、また、作業における安全・安心の徹底、温室効果ガスの削減などによる環境への配慮、さらには地域社会や地域経済への貢献等を十分に意識して業務を遂行できる能力・知識を有する人材や資源循環の取組を牽引する人材の育成に取り組む。また、資源循環分野の人材確保のため、同分野を育成就労制度及び特定技能制度の対象とするよう検討を進める。このような廃棄物処理業者における人材の確保・育成といった生産性の向上等に資する取組により、安定した経営基盤を確立し、継続的な事業運営を確保するなど、資源循環・廃棄物処理業全体の健全化及び振興を進める。

災害時における災害廃棄物処理に当たっては、徹底的な分別・再資源化を行うことで、速やかで最終処分場の容量への影響も少ない処理を実現することができる。一方、災害廃棄物を含む域内の一般廃棄物についての処理責任を負う市町村に多大な負担がかかることから、国は平常時から廃棄物処分業者が災害廃棄物の処理に積極的に協力し、災害廃棄物の再資源化を可能な範囲で実施し最終処分せざるを得ない残さについて適正に処分するよう、また、都道府県が、災害廃棄物の処理体制の確保や処理の実施について必要な支援を行うよう、関係法令の対応も含めて、必要な体制の確保や支援等を行う。

世界的な鉱物資源等の需給の逼迫や国際的な調達の競争激化、各種環境条約や国際ガイドライン等の国際的なルール作りの動向などを踏まえ、資源循環の促進や国際的な環境負荷削減、経済安全保障への貢献のため、国際機関や関係国、国内の産学とも連携し、国際的なルール作りに積極的に貢献していく。また、制度・技術・人材育成の協力をパッケージで進め、具体的なプロジェクト形成を通じ、環境上適切な廃棄物管理及びインフラ整備を促進し、我が国の循環産業の国際展開を推進するとともに、法に基づく認定や評価について国際的なルール作りや標準化につなげていく。

基本方針の見直しに当たって、三に掲げる目標等の達成状況や資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策に資する情報を把握し、再資源化の実施に用いられる技術及び設備の高度化の状況その他情勢の推移を踏まえて検討するものとする。

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