告示令和6年12月16日
公共工事における受注者等の責務及び技術的能力の審査の実施に関する事項(国土交通省)
号外p.16 - p.18
号外p.16-p.18
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公共工事における受注者等の責務及び技術的能力の審査の実施に関する事項(国土交通省)
令和6年12月16日|p.16-18
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2 受注者等の責務に関する事項
法第8条において、公共工事の受注者は、基本理念にのっとり、公共工事を適正に実施するとともに、元請業者のみならず全ての下請業者を含む公共工事を実施する者は、下請契約を締結するときは、下請業者に使用される技術者、技能労働者等の賃金、労働時間、休日その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境が適正に整備されるよう、市場における労務の取引価格、法定福利費等を的確に反映した適正な額の請負代金及び適正な工期を定める下請契約を締結するものとされている。このため、公共工事を実施する者は、例えば、下請契約において最新の法定福利費を内訳明示した見積書を活用し、これを尊重すること、請負契約において法定福利費の請負代金内訳書を活用し、法定福利費が的確に反映されていることを明確にすること、安全衛生対策項目の確認表及び安全衛生経費を内訳として明示するための標準見積書を活用すること等により、下請契約が適正な請負代金で締結されるようにするとともに、工期に関する基準に基づき、見積りを尊重して、時間外労働規制の遵守、週休2日の確保等を含む適正な工期による下請契約を締結するものとする。また、元請業者は、下請業者が建設業法等に違反しないよう指導に努めるとともに、下請契約の関係者保護に配慮するものとする。加えて、災害協定に基づき災害応急対策工事等を実施する元請業者は、災害協定に基づく災害応急対策工事等に係る保険契約の締結に努めるものとする。国は、受注者におけるこれらの取組が適切に行われるよう、元請業者と下請業者の契約適正化のための指導、技能労働者の適切な賃金水準の確保や社会保険等への加入の徹底の要請、時間外労働規制の遵守、週休2日の確保等を含む適正な工期設定の推進等必要な措置を講ずるものとする。さらに、国は、元請業者のみならず全ての下請業者を含む公共工事を実施する者に対して、労務費、法定福利費等が適切に支払われるよう、また、適正な工期が設定されるようその実態把握に努めるとともに、法令に違反して社会保険等に加入せず、法定福利費を負担していない建設業者が競争上有利となるような事態を避けるため、法定福利費を内訳明示した見積書や請負代金内訳書の活用促進を図るなど発注者と連携して、このような建設業者の公共工事からの排除及び当該建設業者への指導を徹底するものとする。
また、受注者(受注者となろうとする者を含む。この段落において同じ。)は、契約された又は将来施工されることとなる公共工事の適正な実施のために必要な技術的能力(新たな技術を活用した資材、機械、工法等を効果的に活用する能力を含む。)の向上、情報通信技術を活用した公共工事の施工及び現場管理の効率化(データの適切な引継ぎ及び効果的な活用を含む。)等による生産性の向上並びに技術者、技能労働者等の育成及び確保とこれらの者に係る賃金、労働時間、休日その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善に努めることとされている。さらに、その使用する者の有する能力に応じた適切な処遇を確保するとともに、外国人等を含む多様な人材がその有する能力を有効に発揮できるよう、その従事する職業に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めることとされている。国及び地方公共団体等は、建設現場における生産性の向上を図るため、技術開発の動向を踏まえ、情報通信技術や三次元データの活用、新技術、新材料又は新工法の導入等を推進するとともに、国は、地方公共団体、中小企業、小規模事業者を始めとした多くの企業等においても普及・活用されるよう支援するものとする。受注者は、建設業法第25条の28第3項に基づく情報通信技術を活用した建設工事の適正な施工を確保するための基本的な指針を踏まえ、情報通信技術の活用等に努めるものとする。発注者は、同指針を踏まえた情報通信技術の活用等が適確に行われるよう、受注者に対し必要な助言等を行うよう努めるものとする。加えて、公共工事の品質が確保されるよう公共工事の適正な施工を確保するためには、公共工事における請負契約(下請契約を含む。)の当事者が法第3条の基本理念にのっとり、公共工事に従事する者の賃金、労働時間、休日その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備に配慮することが求められる。「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、技能労働者が有する資格や現場の就業履歴等を登録・蓄積することによって、技能労働者がその技能と経験に応じた適正な評価と給与の引上げなどの適切な処遇が受けられ、さらに、若い世代にキャリアパスや処遇の見通しを示すことで将来の担い手確保につなげることを目的とするものである。そのため、特に技能労働者の労働環境の適正な整備に当たって受注者は、「建
設キャリアアップシステム」について、活用促進に向けた発注者の取組とも連携しつつ、技能労働者が現場で「建設キャリアアップシステム」を利用できるよう必要な環境を整備するとともに、下請業者に対し、その利用を促進すること等により、個々の技能労働者が有する技能や経験に応じた適正な評価や処遇を受けられるよう労働環境の改善に努めるものとする。また、受注者は、建設業退職金共済制度について、確実な掛金納付・退職金支給、事務負担の軽減等を図るため、電子申請方式を積極的に活用するとともに、「建設キャリアアップシステム」の現場就業履歴を活用した就労実績報告等の実施に努めるものとする。加えて、受注者は、外国人、女性や若者をはじめとする多様な人材がその有する能力を発揮できるよう、現場環境を整備するなど雇用管理の改善に努めるものとする。
3 技術的能力の審査の実施に関する事項
競争参加者の選定又は競争参加資格の確認に当たっては、当該工事を施工する上で必要な施工能力や実績等について技術的能力の審査を行う。
技術的能力の審査は、有資格業者名簿の作成に際しての資格審査(以下「資格審査」という。)及び個別の工事に際しての競争参加者の技術審査(以下「技術審査」という。)として実施される。資格審査においては、公共工事の受注を希望する建設業者の施工能力の確認を行うものとし、技術審査においては、当該工事に関するその実施時点における建設業者の施工能力の確認を行うものとする。
(1) 有資格業者名簿の作成に際しての資格審査
資格審査では、競争参加希望者の経営状況や施工能力に関し各発注者に共通する事項だけでなく、各発注者ごとに審査する事項を設けることができることとし、経営事項審査の結果や必要に応じ工事実績、工事の施工状況の評価(以下「工事成績評定」という。)の結果(以下「工事成績評定結果」という。)、建設業法第11条第2項に基づき建設業者が国土交通大臣又は都道府県知事に提出する工事経歴書等を活用するものとする。なお、防災活動への取組等により蓄積された経験等の適切な項目を審査項目とすることも考えられるが、項目の選定に当たっては、競争性の低下につながることがないよう留意するものとする。
(2) 個別工事に際しての競争参加者の技術審査
技術審査では、建設業者及び当該工事に配置が予定される技術者(以下「配置予定技術者」という。)の同種・類似工事の経験、配置予定技術者の有する資格、簡易な施工計画等の審査を行うとともに、必要に応じ、配置予定技術者に対するヒアリングを行うことにより、不良・不適格業者の排除及び適切な競争参加者の選定等を行うものとする。この場合において、競争参加者の選定に当たっては、地域における公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成及び確保の観点から、適切に地域の実情を踏まえるものとする。
同種・類似工事の経験等の要件を付する場合には、発注しようとする工事の目的、種別、規模・構造、工法等の技術特性、地質等の自然条件、周辺地域環境等の社会条件等を踏まえ、具体的に示すものとする。なお、工事の性格等に応じ、競争性の確保及び若年の技術者の配置にも留意するものとする。
また、建設業者や配置予定技術者の経験の確認に当たっては、実績として提出された工事成績評定結果を確認することが重要であり、工事成績評定結果の平均点が一定の評点に満たない建設業者には競争参加を認めないこと、一定の評点に満たない実績は経験と認めないこと等により、施工能力のない建設業者を排除するとともに、建設業者による工事の品質向上の努力を引き出すものとする。
(3) 中長期的な技術的能力の確保に関する審査等
将来の公共工事の品質確保のためには、競争参加者(競争に参加しようとする者を含む。以下同じ。)が現時点で技術的能力を有していることに加え、中長期的な技術的能力を確保していることが必要である。そのためには、競争参加者における中長期的な技術的能力確保のための取組状況等に関する事項については、入札及び契約における手続の各段階において、各段階における審査又は評価の趣旨を踏まえ、発注に係る公共工事の性格や地域の実情等に応じ、審査し、
又は評価するように努めるものとする。当該審査又は評価の項目としては、若年の技術者、技能労働者等の育成及び確保状況、建設機械の保有状況、災害協定の締結等の災害時の工事実施体制の確保状況等が挙げられるものが、発注者は、発注する公共工事の性格、地域の実情等に応じて適切に項目を設定するものとする。また、発注者は、地域の中小企業・小規模事業者の技術習得に資するよう、発注又は契約の相手方の選定に関し、必要に応じて、技術力を有する企業と地域の中小企業・小規模事業者との連携及び技術的な協力等を図るために必要な措置を講ずるものとする。
4 多様な入札及び契約の方法
発注者は、入札及び契約の方法の決定に当たっては、その発注に係る公共工事の性格、地域の実情等に応じ、以下に定める方式その他の多様な方法の中から適切な方法を選択し、又はこれらの組み合わせによることができる。
なお、多様な入札及び契約の方法の導入に当たっては、談合などの弊害が生ずることのないようその防止について十分配慮するとともに、入札及び契約の手続における透明性、公正性、必要かつ十分な競争性を確保するなど必要な措置を講ずるものとする。
(1) 競争参加者の技術提案を求める方式
①技術提案の求め方
発注者は、競争に参加しようとする者に対し、発注する工事の内容に照らし、必要がないと認める場合を除き、技術提案を求めるよう努めるものとする。
この場合、求める技術提案は必ずしも高度な技術を要するものではなく、技術的な工夫の余地が小さい一般的な工事においては、技術審査において審査した施工計画の工程管理や施工上配慮すべき事項、品質管理方法等についての工夫を技術提案として扱うなど、発注者は、競争参加者の技術提案に係る負担に配慮するものとする。
また、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、例えば、設計・施工一括発注方式(デザインビルド方式)等により、工事目的物自体についての提案を認めるなど提案範囲の拡大に努めるものとする。この場合、事業の目的、工事の特性及び工事目的物の使用形態を踏まえ、安全対策、交通・環境への影響及び工期の縮減といった施工上の提案並びに強度、耐久性、維持管理の容易さ、環境の改善への寄与、景観との調和及びライフサイクルコストといった工事目的物の性能等適切な評価項目を設定するよう努めるものとする。
②技術提案の適切な審査・評価
一般的な工事において求める技術提案は、施工計画に関しては、施工手順、工期の設定等の妥当性、地形・地質等の地域特性への配慮を踏まえた提案の適切性等について、品質管理に関しては、工事目的物が完成した後には確認できなくなる部分に係る品質確認頻度や方法等について評価を行うものとする。これらの評価に加えて、競争参加者の同種・類似工事の経験及び工事成績、配置予定技術者の同種・類似工事の経験、配置予定技術者の有する資格、防災活動への取組等により蓄積された経験等についても、技術提案とともに評価を行うことも考えられる。
また、これらの評価に加え、発注者の求める工事内容を実現するための施工上の提案や構造物の品質の向上を図るための高度な技術提案を求める場合には、提案の実現性、安全性等について審査・評価を行うものとする。
技術提案の評価は、事前に提示した評価項目について、事業の目的、工事特性等に基づき、事前に提示した定量的又は定性的な評価基準及び得点配分に従い、評価を行うものとする。
なお、工事目的物の性能等の評価点数について基礎点と評価に応じて与えられる得点のバランスが適切に設定されない場合や、価格評価点に対する技術評価点の割合が適切に設定されない場合には、品質が十分に評価されない結果となることに留意するものとする。
各発注者は、説明責任を適切に果たすという観点から、落札者の決定に際しては、その評価の方法や内容を公表しなければならない。その際、発注者は、民間の技術提案自体が提案者の知的財産であることに鑑み、提案内容に関する事項が他者に知られることのないようにすること、提案者の了承を得ることなく提案の一部のみを採用することのないようにすること等取扱いに留意するものとする。その上で、採用した技術提案や新技術について、評価・検証を行い、公共工事の品質確保の促進に寄与するものと認められる場合には、以後の公共工事の計画、調査等、施工及び管理の各段階に反映させ、継続的な公共工事の品質確保に努めるものとする。
発注者は、競争に付された公共工事を技術提案の内容に従って確実に実施することができないと認めるときは、当該技術提案を採用せず、提案した者を落札者としないことができる。
また、技術提案に基づき、価格に加え価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する方式(以下「総合評価落札方式」という。)で落札者を決定した場合には、落札者決定に反映された技術提案について、発注者と落札者の責任の分担とその内容を契約上明らかにするとともに、その履行を確保するための措置や履行できなかった場合の措置について契約上取り決めておくものとする。
(2) 段階的選抜方式
競争参加者が多数と見込まれる場合においてその全ての者に詳細な技術提案を求めることは、発注者、競争参加者双方の事務負担が大きい。その負担に配慮し、発注者は、競争参加者が多数と見込まれるときその他必要と認めるときは、当該公共工事に係る技術的能力に関する事項を評価すること等により一定の技術水準に達した者を選抜した上で、これらの者の中から落札者を決定することができる。
なお、当該段階的な選抜は、一般競争入札方式の総合評価落札方式における過程の中で行うことができる。
加えて、本方式の実施に当たっては、必要な施工技術を有する者の新規の競争参加が不当に阻害されることのないよう、また、恣意的な選抜が行われることのないよう、案件ごとに事前明示された基準にのっとり、透明性をもって選抜を行うこと等その運用について十分な配慮を行うものとする。
(3) 技術提案の改善
発注者は、技術提案の内容の一部を改善することで、より優れた技術提案となる場合や一部の不備を解決できる場合には、技術提案の審査において、提案者に当該技術提案の改善を求め、又は改善を提案する機会を与えることができる。この場合、発注者は、透明性の確保のため、技術提案の改善に係る過程について、その概要を速やかに公表するものとする。
なお、技術提案の改善を求める場合には、同様の技術提案をした者が複数あるにもかかわらず、特定の者だけに改善を求めるなど特定の者のみが有利となることのないようにすることが必要である。
(4) 技術提案の審査及び価格等の交渉による方式(技術提案・交渉方式)
技術的難易度が高い工事等仕様の確定が困難である場合において、自らの発注の実績等を踏まえて必要があると認めるときは、技術提案を広く公募の上、その審査の結果を踏まえて選定した者と工法、価格等の交渉を行うことにより仕様を確定した上で契約することができる。この場合において、発注者は、技術提案の審査及び交渉の結果を踏まえて予定価格を定めるものとする。
(5) 高度な技術等を含む技術提案を求めた場合の予定価格
競争参加者からの積極的な技術提案を引き出すため、新技術及び特殊な施工方法等の高度な技術又は優れた工夫を含む技術提案を求めた場合には、経済性に配慮しつつ、各々の提案とそれに要する費用が適切であるかを審査し、最も優れた提案を採用できるよう予定価格を作成することができる。この場合、当該技術提案の審査に当たり、中立かつ公正な立場から判断できる学識経験者の意見を聴取するものとする。
5 中立かつ公正な審査・評価の確保に関する事項
技術提案の審査・評価に当たっては、発注者の恣意を排除し、中立かつ公正な審査・評価を行うことが必要である。このため、国においては、総合評価落札方式の実施方針及び複数の工事に共通する評価方法を定めようとするときは、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴くとともに、必要に応じ個別工事の評価方法や落札者の決定についても意見を聴くものとする。また、技術提案・交渉方式の実施方針を定めようとするとき及び技術提案・交渉方式における技術提案の審査を行うときは、学識経験者の意見を聴くものとする。
また、地方公共団体においては、落札者決定基準を定めようとするときは、あらかじめ学識経験者の意見を聴くこと等が地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の10の2に規定されているが、この場合、各発注者ごとに、又は各発注者が連携し、都道府県等の単位で学識経験者の意見を聴く場を設ける、既存の審査の場に学識経験者を加える、個別に学識経験者の意見を聴くなど運用面の工夫も可能である。なお、学識経験者には、意見を聴く発注者とは別の公共工事の発注者の立場での実務経験を有している者等も含まれる。技術提案・交渉方式を行おうとするとき及び技術提案・交渉方式における技術提案の審査を行うときも同様に学識経験者の意見を聴くなどにより中立かつ公平な審査・評価を確保するものとする。
また、入札及び契約の過程に関する苦情については、各発注者がその苦情を受け付け、適切に説明を行うとともに、さらに不服がある場合には、第三者機関の活用等により、中立かつ公正に処理する仕組みを整備するものとする。
さらに、発注者の説明責任を適切に果たすとともに、手続の透明性を確保する観点から、落札結果については、契約締結後速やかに公表するものとする。また、総合評価落札方式を採用した場合には技術提案の評価結果を、技術提案・交渉方式を採用した場合には技術提案の審査の結果及びその過程の概要並びに交渉の過程の概要を、契約締結後速やかに公表するものとする。
6 工事の監督・検査及び施工状況の確認・評価に関する事項
公共工事の品質が確保されるよう、発注者は、監督及び給付の完了の確認を行うための検査並びに適正かつ能率的な施工を確保するとともに工事に関する技術水準の向上に資するために必要な技術的な検査(以下「技術検査」という。)を行うとともに、工事成績評定を適切に行うために必要な要領や技術基準を策定するものとする。
特に、工事成績評定については、公正な評価を行うとともに、評定結果の発注者間での相互利用を促進するため、国と地方公共団体との連携により、事業の目的や工事特性を考慮した評定項目及び評価方法の標準化を進めるものとする。
監督についても適切に実施するとともに、契約の内容に適合した履行がなされない可能性があると認められる場合には、適切な施工がなされるよう、通常より頻度を増やすことにより重点的な監督体制を整備するなどの対策を実施するものとする。
技術検査については、工事の施工状況の確認を充実させ、施工の節目において適切に実施し、施工について改善を要すると認めた事項や現地における指示事項を書面により受注者に通知するとともに、技術検査の結果を工事成績評定に反映させるものとする。
なお、工事の監督・検査及び施工状況の確認・評価に当たっては、映像など情報通信技術の積極的な活用を図るとともに、必要に応じて、第三者による品質証明制度やISO9001認証を活用した品質管理に係る専門的な知識や技術を有する第三者による工事が適正に実施されているかどうかの確認の結果の活用を図るよう努めるものとする。国及び地方公共団体等は、工事の監督・検査及び施工状況の確認・評価に当たっても、生産性の向上を図るため、技術開発の動向を踏まえ、情報通信技術や三次元データの活用、新技術の導入等を推進するとともに、国は、地方公共団体や中小企業・小規模事業者を始めとした多くの企業等においても普及・活用されるよう支援するものとする。
また、工事の性格等を踏まえ、工事目的物の供用後の性能等について、必要に応じて完成後の一定期間を経過した後において、施工状況の確認及び評価を実施するよう努めるものとする。
7 発注関係事務の環境整備に関する事項
各省各庁の長は、各発注者の技術提案の適切な審査・評価、監督・検査、工事成績評定等の円滑な実施に資するよう、これらの標準的な方法や留意事項をとりまとめた資料を作成し、発注者間で共有するなど、公共工事の品質確保に係る施策の実施に向け、発注関係事務の環境整備に努めるものとする。
なお、これらの資料を踏まえて、各発注者は各々の取組に関する基準や要領の整備に努めるとともに、必要に応じ、発注者間でこれらの標準化を進めるものとする。この際、これらを整備することが困難な地方公共団体等に対しては、国及び都道府県が必要に応じて支援を行うよう努めるものとする。
また、新規参入者を含めた建設業者の技術的能力の審査を公正かつ効率的に行うためには、各発注者が発注した工事の施工内容や工事成績評定、当該工事を担当した技術者に関するデータを活用することが必要である。このため、各発注者が発注した工事について、工事の施工内容や工事成績評定等に関する資料をデータベースとして相互利用し、技術的能力の審査において活用できるよう、データベースの整備、データの登録及び更新並びに発注者間でのデータの共有化を進めるものとする。
さらに、各発注者は、民間の技術開発の促進を図るため、民間からの技術情報の収集、技術の評価、さらには新技術の公共事業等への活用を行う取組を進めるとともに、施工現場における技術や工夫を活用するため、必要に応じて関連する技術基準や技術指針、発注仕様書等の見直し等を行うよう努めるものとする。加えて、各発注者は、公共工事に係る手続きや書類の簡素化を推進するとともに、それらの電子化を推進し、各種情報の効率的な交換やペーパーレス化による事務の簡素化を図るため、電子入札システムや電子契約システム、ASP等の情報共有システムなどの必要なシステムの導入及び活用、施工体制台帳の写しの提出の求めに代えた「建設キャリアアップシステム」等のシステムの活用による施工体制の確認等に努めるものとする。
8 調査等の品質確保に関する事項
公共工事の品質確保に当たっては、公共工事に関する調査等の品質確保が重要な役割を果たしており、その成果は、建設段階及び維持管理段階を通じた総合的なコストや、公共工事の工期、環境への影響、施設の性能・耐久性、利用者の満足度等の品質に大きく影響することとなる。
このような観点から、公共工事に関する調査等についても、公共工事と同様に、法第3条の基本理念にのっとり、公共工事の品質確保の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮しつつ、国及び地方公共団体並びに公共工事に関する調査等の発注者及び受注者がそれぞれ下記の役割を果たさなければならない。
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