都市緑地法等におけるWell-beingの向上及びマネジメント・ガバナンス等に関する指針
令和6年11月22日|p.7
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4 Well-beingの向上
人々が健康で文化的な都市生活を送ることの重要性は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、より一層高まっており、持続可能な開発目標(SDGs)においても、あらゆる年齢のすべての人々のWell-beingを促進することが位置づけられている。そのため、緑地の確保に当たっては、あらゆる人々にとって安全・安心で快適に利用でき、心身の健康の増進や地域の魅力・文化の向上等が図られるよう取り組むことで、Well-beingの向上を図ることが重要である。
(1) 開かれた空間の形成
・Well-beingの向上に資する緑地の効果を人々が最大限享受できるよう、緑地の確保に当たっては、可能な限り幅広く、多くの利用に供されるよう整備・管理すること。
・高齢者、障害者、子ども等を含む多様な人々にとって利用しやすい緑地とするため、緑地の確保に当たっては、バリアフリーの確保を含むユニバーサルデザインの考え方に基づき整備・管理すること。
(2) 安心・安全な空間の形成
・Well-beingの向上には、その基盤として安全・安心な場の確保が不可欠であることから、緑地の確保に当たっては、事故の防止や防犯、災害時の避難地や緩衝帯としての場の提供など、安全・安心な空間が形成されるよう整備・管理すること。
(3) 心身の健康の増進・地域コミュニティの形成
・緑地は、身体活動の促進、ストレス緩和やリラックス効果、住民の相互交流の促進やコミュニティの結束強化等を通じて、人々の健康を支えることが可能であることから、緑地の確保に当たっては、身体的・精神的に健康の増進が図られるとともに、社会的な健康としての地域コミュニティの形成に資するよう整備・管理すること。
(4) にぎわいの創出
・緑陰を形成する樹木や芝生等の緑地は、まちなかにおいて、快適に憩うことができ、視覚的にも映えることから、人々が歩いて楽しくなる要素となるとともに、多様な人々が訪れ、交流する場を形成する機能を有する。そのため、緑地の確保に当たっては、快適で魅力的な滞在・交流空間となるとともに、緑豊かな歩行空間の連続性が図られるよう整備・管理すること。
(5) 良好な景観の形成
・緑地は、緑豊かで潤いをもたらす美しい景観を形成するとともに、四季の変化や時の流れを感じさせ、地域固有の歴史・文化を形成する。そのため、緑地の確保に当たっては、周辺環境の向上に寄与する植栽の配置や一貫したビジョンに基づく形態意匠など、対象となる土地・地域の良好な景観が形成されるよう整備・管理すること。
(6) 農の活用
・都市における緑地の一つである都市農地及び農的空間は、地元産の新鮮な農産物の供給、防災や国土及び環境の保全、住民の交流の場等の多様な機能を有することから、緑地の確保に当たっては、都市農地及び農的空間が創出・保全・活用されるよう整備・管理すること。
5 マネジメント・ガバナンス
緑地は、人工的なインフラと異なり、時間の経過とともに植物が生育し、その状態が大きく変化するため、そのような特性等を踏まえた適切な整備、継続的なモニタリング、順応的な維持管理が必要不可欠である。そのため、緑地の確保に当たっては、緑地の有する機能の確実かつ継続的な発揮に向け、適切な整備・維持管理等のマネジメント及びそれを支える主体のガバナンスが重要である。
(1) 適切な事業の実施
・事業を適切に実施できるよう、緑地の確保に当たっては、地域の実情に応じた事業の目的・目標を定め、その目的・目標に沿った事業内容とし、その事業を実施するための実施体制や資金計画を適切に確保すること。
・緑地の確保に当たっては、事業の計画段階から緑地に関する専門家の適切な助言を受けるとともに、緑地の整備・維持管理等の実施段階においても緑地に関する専門の技術者を適切に配置すること。
・継続的なモニタリングを通じて事業の実施による緑地の効果を把握し、その結果を踏まえた対応を適時行うこと。
(2) 情報開示
・緑地の確保に関する情報について、事業や対象となる土地の特性を踏まえつつ、第三者が容易にアクセスできるよう可能な限り開示すること。
(3) 地域住民等とのコミュニケーション
・事業の透明性、公平性等を確保する観点から、緑地の確保に当たっては、事業の構想段階等から説明会等による地域住民等とのコミュニケーションを行い、地域との丁寧な合意形成を図ること。
(4) ネガティブ・インパクトの管理
・緑地の確保に当たっては、事業の実施によって、環境・社会への悪影響(ネガティブ・インパクト)をもたらす可能性があるかを検討し、特定された場合は回避・低減のための措置を行うことができるよう管理すること。
6 土地・地域特性の把握・反映
緑地の確保に当たっては、対象となる土地や周辺地域の特性を踏まえて事業を行うことが重要である。
(1) 土地・地域特性の把握・反映
・緑地の確保に当たっては、対象となる土地や周辺地域の自然環境、土地利用の変遷を含む歴史文化、社会的状況、法令・行政計画等を適切に把握した上で、課題を適切に設定し、それらを踏まえた事業を実施すること。特に、対象となる土地に貴重な自然地形、希少種、歴史・文化的価値の高い樹木が存在する場合は、それらの適切な保全を行うこと。
7 地域の価値向上・ネットワーク性の確保
緑地の有する機能の発揮を通じた緑地確保の取組は、対象となる土地だけでなく、周辺の地域に広がりのある効果を及ぼすとともに、ネットワークとして有機的につながることでその効果をより一層高め、地域の価値向上をもたらす。そのため、緑地の確保に当たっては、地域の価値向上をもたらす取組の重要性に鑑み、面的な広がりをもたらす機能の発揮や緑地のネットワーク性の確保が図られるよう整備・管理すること。