告示令和6年11月14日
下請代金支払遅延等防止法に関するガイドライン(抜粋)
号外p.8 - p.9
号外p.8-p.9
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- 下請取引適正化推進ガイドライン等の改定
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5 設計図、仕様書等の明確化による発注内容の明確化
(1) 親事業者は、不当なやり直しが生じないよう、発注に際して下請事業者に対して示すべき設計図、仕様書等の内容を明確にするものとする。
(2) 親事業者は、既に発注した物品等に係る設計、仕様等を変更しようとするときは、下請事業者に損失を与えることとならないよう十分に配慮して変更するものとし、かつ、その変更による追加コストは親事業者が負担するものとする。
6 契約条件の明確化及び書面等の交付
親事業者は、発注内容が曖昧な契約とならないよう、下請事業者と十分に協議を行った上で、発注内容、納期、価格、付随費用(型、治具等の費用、運送費、保管費等をいう。)、支払手段、支払期日等の契約条件について、書面等(電子メールその他の電磁的記録を含む。以下同じ。)による明示及びその交付を徹底する。
7 発注の手続事務の円滑化等
親事業者は、下請事業者に対する発注手続及び支給材、設備貸与等に関する手続の事務の円滑化及び明確化に努めるものとする。
また、親事業者は、下請事業者の労働時間の短縮のため、下請事業者の要請に応じ、生産又は配送システムの見直し等の取組を共同して行うものとする。
8 取引停止の予告
親事業者は、継続的な取引関係を有する下請事業者との取引を停止し、又は大幅に取引を減少しようとする場合には、下請事業者の経営に著しい影響を与えないよう最大限の配慮をする観点から、相当の猶予期間をもって予告するものとする。
第3 下請事業者の施設又は設備の導入、技術の向上及び事業の共同化に関する事項
1 一般的留意事項
(1) 下請事業者は、生産性の向上等を図るための施設又は設備の導入に努め、製品開発、品質管理、現場作業等の技術の向上に努めるとともに、経営管理及び人事・労務管理の改善に努めるものとし、また、その業種及び業態の実態に応じ、他の事業者との事業の共同化に努めるものとする。
(2) 親事業者は、下請事業者の要請に応じ、下請事業者の施設又は設備の導入、技術の向上並びに経営管理及び人事・労務管理の改善に際し、助言、研修、従業員の派遣等の協力を行うとともに、下請事業者が事業の共同化を進めやすくなるよう適切な措置を講ずるものとする。
2 情報化への積極的対応
(1) 下請事業者は、管理能力の向上、事務量の軽減、事務の迅速化等の業務工程の見直しによる効率性の向上のため、必要なセキュリティ対策と併せて、次の事項に積極的に対応するよう努めるものとする。
① 情報化に係る責任者の配備及び企業内システムの改善(業務のデジタル化推進を含む。)
② 中小企業共通EDI(電子データ交換)等による電子受発注
③ 電子的な決済等(インターネットバンキング、電子記録債権、全銀EDIシステム等の活用)
(2) 親事業者は、(1)の下請事業者による取組を支援するため、下請事業者の要請に応じ、管理能力の向上についての指導、標準的なコンピュータ、ソフトウェア及びデータベースの提供、オペレータの研修、セキュリティ対策の助言及び支援並びに国及び地方公共団体による情報化支援策の情報提供等の協力を行うものとする。
(3) 親事業者は、サプライチェーン全体の業務工程の見直しによる効率性向上を図る観点から、(4)に掲げる事項に留意しつつ、下請事業者に電子受発注及び電子的な決済等の導入を積極的に働きかけるものとする。また、自社並びにその子会社及び関連会社において下請事業者との取引に用いている自社の電子受発注又は電子的な決済等に係るシステムの共通化に努めつつ、業界、企業系列等を越えたサプライチェーンで共通化された電子受発注又は電子的な決済等に係るシステムへの接続に努めるものとする。
(4) 親事業者は、下請事業者に対し電子受発注等を行う場合には、次の事項に留意して、これを行うものとする。
① 下請事業者に対し、電子受発注等を導入する効果、コスト負担等の説明を十分に行うこと。
② 電子受発注等を行うか否かの決定に当たっては、下請事業者の自主的な判断を十分に尊重することとし、これに応じないことを理由として、不当に取引の条件又は実施について不利な取扱いをしないこと。
③ 下請事業者に対し、正当な理由なく、自らの指定するコンピュータその他の機器又はソフトウェア等の購入又は使用を求めないこと。
④ 下請事業者に対する電子受発注等に係る指導等の際、併せてその経営、財務等の情報を把握すること等により、その経営の自主性を侵さないこと。
⑤ 自らが負担すべき費用を下請事業者に負担させないこと。
⑥ 下請事業者が不測の不利益を被ることがないよう、親事業者及び下請事業者双方の費用分担、取引条件等について、事前に基本契約書又はこれに準ずる書面等により明確に定めておくこと。
⑦ その他政府により定められている電子受発注等についての指針を遵守すること。
3 事業承継に向けた取組
(1) 下請事業者は、事業承継計画の策定、事業承継・引継ぎ支援センターの活用その他の方法により、事業承継に向けた計画的な取組を行うものとする。
(2) 親事業者は、下請事業者の事業承継の意向及び状況の把握に努めるものとし、サプライチェーン全体の機能維持のため、必要に応じて計画的な事業承継の準備を促す等、下請事業者の事業承継に関し積極的な役割を果たすものとする。具体的には、下請事業者と対話した上で、その実態に応じ、事業承継の円滑化に向けた経営改善支援、後継者の育成、引継先のマッチング支援等を行うよう努めるものとする。
第4 対価の決定の方法、納品の検査の方法その他取引条件の改善に関する事項
1 対価の決定の方法の改善
(1) 取引対価は、合理的な算定方式に基づき、下請事業者の適正な利益を含み、下請事業者における賃金の引上げ、労働時間の短縮等の労働条件の改善が可能となるよう、親事業者及び下請事業者が十分に協議して決定するものとする。
その際、親事業者は、以下に掲げる行為を始めとする、客観的な経済合理性又は十分な協議手続きを欠く協議を行わないものとする。
[取引対価の協議に関する望ましくない事例]
① 目標価格又は価格帯のみを提示して、それと辻褄の合う内容の見積り又は提案を要請すること。
② 過度に詳細な見積りを要請し、それを下請事業者が十分に作成できないことを理由として、協議を拒むこと。
③ もともと転注するつもりがないにもかかわらず、競合する他の事業者への転注を示唆して殊更に危機感を与えることにより、事実上、協議をすることなく、親事業者が意図する取引対価を下請事業者に押し付けること。
④ 競合する他の事業者が取引対価の見直しの要請をしていないこと、親事業者の納入先が取引対価の見直しを認めないこと等を理由として、協議を拒むこと。
また、下請事業者は、国・地方公共団体、中小企業の支援機関等に相談する等して積極的に情報を収集して交渉に臨むよう努めるものとする。
(2) 親事業者及び下請事業者は、毎年9月及び3月の「価格交渉促進月間」の機会を捉える等により、少なくとも年に1回以上の協議を行うものとする。親事業者は、発注の都度、協議を行うもののほか、継続的な発注について下請事業者からの申出があったときは、定期的な協議に応じるものとする。さらに、労務費、原材料費、エネルギー価格等のコストが上昇した場合又は発注内容を変更した場合であって、下請事業者からの申出があったときは、定期的な協議以外の時期であっても、遅滞なく協議に応じるものとする。
(3) 親事業者及び下請事業者は、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(令和5年11月29日 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局・公正取引委員会。以下「労務費の指針」という。)に掲げられている、「事業者が採るべき行動/求められる行動」を適切にとった上で、取引対価を決定する。その際、「労務費の指針」別添「価格交渉の申込み様式」の活用も併せ、労務費の上昇分を適切に転嫁できるよう協議するものとする。特に、最低賃金(家内労働法(昭和45年法律第60号)に規定する最低工賃を含む。)の引上げ、人手不足への対処等、外的要因により下請事業者の労務費の上昇があった場合には、その影響を十分に踏まえるものとする。
(4) 労務費、原材料費、エネルギー価格等のコストが増加した場合には、親事業者は、予め定めた
価格改定タイミングはもちろんのこと、その期中においても、価格変更を柔軟に行うものとする。
特に原材料費やエネルギーコストの高騰があった場合には、適切なコスト増加分の全額転嫁を目
指すものとする。
(5) 取引対価の決定の際、親事業者及び下請事業者は、取引の対象となる物品に係る特許権、著作
権等その他知的財産権の帰属及び二次利用に対する対価並びに当該物品等の製造等を行う過程で
生じた財産的価値を有する物品等や技術等に係る知的財産権の帰属及び二次利用に対する対価に
ついても十分考慮するものとする。
(6) 親事業者及び下請事業者は、(1)から(5)までに掲げるもののほか、品質又は性能、仕様の変更、
発注数量又は納入頻度の多寡(量産時と量産期間終了後の変化を含む。)、納期の長短、代金の支
払方法、諸経費(運送費、保管費、電子受発注又は電子的な決済等に係るコスト、環境対応コス
ト等)、市価の動向等の要素を考慮して、取引対価を決定するものとする。
(7) 親事業者は、以下に掲げる行為を始めとする、客観的な経済合理性又は十分な協議手続を欠く
原価低減要請(原価低減を求める見積り又は提案の提出要請を含む。以下同じ。)を行わないもの
とする。また、親事業者及び下請事業者双方が協力して行った原価低減活動の効果を取引対価に
反映する場合には、当該効果に対する双方の寄与度を踏まえ、合理的に取引対価を設定するもの
とする。
[原価低減要請に関する望ましくない事例]
① 具体的な根拠を明確化せず、又は目標数値のみを提示して、原価低減要請を行うこと。
② 原価低減要請に応じることが発注継続の前提であることを示唆して、事実上、原価低減を
押し付けること。
③ 口頭で削減幅等を示唆した上で、下請事業者から見積書の提出を求めること等、書面等の
記録を残さずに原価低減要請を行うこと。
[取引対価への反映に関する望ましくない事例]
① コスト削減効果を十分に確認せず、取引対価の低減を押し付けること。
② 下請事業者の努力によるコスト削減効果を、一方的に取引対価の低減に反映すること。
(8) 親事業者及び下請事業者双方は、それぞれ取引対価の協議の記録を保存するものとする。
(9) 親事業者は、下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(平成15年公正取引委員会事務総長
通達第18号。以下「下請法運用基準」という。)に違反事例として掲げられている「一律一定率の
単価引下げによる買いたたき」、「合理性のない定期的な原価低減要請による買いたたき」、「下請代
金を据え置くことによる買いたたき」等の、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号。
以下「下請法」という。)で禁止する買いたたきを行わないことを徹底する。
この場合において、買いたたきとは、「下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に
対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること」である。
「通常支払われる対価」とは、当該給付と同種又は類似の給付について当該下請事業者の属す
る取引地域において一般に支払われる対価(以下「通常の対価」という。)をいう。ただし、通常
の対価を把握することができないか又は困難である給付については、例えば、当該給付が従前の
給付と同種又は類似のものである場合には、次の額を「通常支払われる対価に比し著しく低い下
請代金の額」として取り扱うものとする。
① 従前の給付に係る単価で計算された対価に比し著しく低い下請代金の額
② 当該給付に係る労務費、原材料価格、エネルギーコスト等の上昇ないし上昇を、例えば、最低賃
金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの経済の実態が反映されていると考えら
れる公表資料から把握することができる場合において、据え置かれた下請代金の額
なお、以下のような方法で取引対価を決定することは、下請法上の買いたたきに該当するおそ
れがあることに留意するものとする。
① 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等の上昇分の取引価格への反映の必要性について、
価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと。
② 労務費、原材料価格、エネルギーコスト等が上昇したため、下請事業者が取引価格の引上げ
を求めたにもかかわらず、価格転嫁をしない理由を書面等で下請事業者に回答することなく、
従来どおりに取引価格を据え置くこと。
2 納品の検査の方法の改善
(1) 親事業者は、下請事業者に発注をしようとする場合には、納品(役務の提供を含む給付の提供
をいう。以下同じ。)の検査の実施方法、実施時期、当該発注に係る物品等の適正な検査基準、検
査の結果不合格となった物品等の取扱い及び納品の過不足の場合の処理の方法を、あらかじめ下
請事業者と協議して定めるものとする。
(2) 親事業者は、(1)の規定により定めた検査の実施方法及び検査基準に基づき、納品後、速やかに
納品の検査を行うものとする。
(3) 親事業者は、自ら納品された物品等の検査を行い、又は書面等により委任して下請事業者に物
品等の検査を行わせ、当該検査を合格とした場合であって、その後、親事業者の納入先等からの
指摘により当該物品等の引取り、やり直し又は損害賠償を行うこととなったときは、当該物品等
の不具合の有無及びその原因を明らかにし、その引取り、やり直し又は損害賠償に必要となる人
員の手当、金銭の支払い等について、親事業者がすべてを負担せず下請事業者にも負担を求める
ことの必要性及び合理性の有無を、十分に確認するものとする。親事業者は、下請事業者にも当
該負担を求めることとなる場合には、親事業者、下請事業者それぞれが当該物品等に係る納品に
より得た取引対価を勘案しつつ、下請事業者と十分に協議を行い、親事業者及び下請事業者双方
が合理的な割合で負担するものとし、一方的に下請事業者に引取り、やり直し又は損害賠償を負
担させないものとする。
3 支給材の支給及び設備等の貸与の方法の改善
(1) 親事業者は、下請事業者に支給材を支給しようとする場合には、以下に掲げる行為に留意しつ
つ、支給材の保管の方法及び瑕疵がある場合の取扱い、支給材の所要量の算定方法及び残材の処
理の方法、支給の時期並びに対価の決定方法その他支給について必要な事項を、あらかじめ下請
事業者と協議して定めるものとする。
[支給材に関する望ましくない事例]
① 生産終了後長期間にわたり、支給材を保管させること。
② 残材の買取りについて明確な取決めをせず、負担を一方的に押し付けること。
(2) 親事業者は、下請事業者に設備等を貸与しようとする場合には、(1)の支給材と同様、必要な事
項を、あらかじめ下請事業者と協議して定めるものとする。
4 下請代金の支払方法の改善
(1) 親事業者は、発注に係る物品等の受領後、下請代金をできる限り速やかに支払うものとする。
また、当該受領をした日から起算して60日以内において定める支払期日までに、下請代金を支払
うことを徹底する。
(2) 下請代金の支払いは、できる限り現金によるものとする。少なくとも賃金に相当する金額につ
いては、全額を現金で支払うものとする。
(3) 約束手形(為替手形の場合を含む。以下同じ。)、一括決済方式(※)及び電子記録債権(以下
(3)において「手形等」という。)により下請代金を支払う場合には、当該手形等の現金化に係る割
引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないよう、当該コストを勘案した下請
代金の額を、親事業者及び下請事業者双方で十分に協議して決定するものとする。
当該協議を行う際、親事業者及び下請事業者双方が、手形等の現金化に係る割引料等のコスト
について具体的に検討できるよう、親事業者は、支払期日に現金により支払う場合の下請代金の
額並びに支払期日に手形等により支払う場合の下請代金の額及び当該手形等の現金化に係る割引
料等のコストを示すものとする。
※親事業者、下請事業者及び金融機関の間の約定に基づき、下請事業者が債権譲渡担保方式又は
ファクタリング方式若しくは併存的債務引受方式により金融機関から下請代金の額に相当する
金銭の貸付け又は支払いを受けることができることとし、親事業者が当該下請代金債権又は当
該下請代金債務の額に相当する金銭を当該金融機関に支払うこととする方式をいう。
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