告示令和6年11月14日
下請中小企業振興法第3条第1項に基づく振興基準の制定
号外p.7
号外p.7
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- 振興基準
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官報
厚生労働省
下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号)第3条第1項の規定に基づき、振興基準を次のように定める。
令和6年11月1日
経済産業大臣 武藤容治
振興基準
本基準は、下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号。以下「法」という。)第3条第1項の規定に基づき、親事業者及び下請事業者双方が適正な利益を得てサプライチェーン全体の競争力向上につなげていく共存共栄の関係を築くことを目指し、下請取引における下請事業者の事業運営の方向性、親事業者が行う発注等の在り方等を示すことにより、下請中小企業の振興を図ろうとするものである。
下請事業者の事業活動は、親事業者の発注の在り方に大きな影響を受けるものであり、まず何よりも、親事業者と下請事業者の取引の公正と、これを通じた下請事業者の適正な利益の確保が図られなければならない。その上で、下請中小企業を含むサプライチェーン全体で付加価値向上を目指すことができるような、親事業者と下請事業者の相互理解と信頼によって支えられる互恵的な取引関係を構築していく必要がある。
このため、親事業者は、下請事業者の存在価値や潜在力を、長期的、かつ、広範な視野から捉え、共存共栄を図っていくべきである。他方、下請事業者は、親事業者に対し、発注内容・契約条件の明確化、発注・対価の決定方法の改善、契約条件の書面交付を求めるなど、自らが提供する付加価値について正当な評価を受け、適正な利益を得るために、協議・交渉を申し入れるほか、脱炭素化を始めとするグリーン化、電子受発注の導入を始めとする情報化等の自助努力を行うべきである。更に、需要者(顧客)も含めたサプライチェーン全体での価格転嫁が実現するよう、親事業者及び下請事業者の取組が望まれる。
また、本基準は、下請事業者又は親事業者の事業を所管する省庁(以下「事業所管省庁」という。)の担当大臣その他関係行政機関の長が、法の目的を達成するために行う指導及び助言の根拠となる考え方を示すとともに、事業所管省庁が業種別に策定する「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」(以下「業種別ガイドライン」という。)の策定又は改定に当たり参照されるものである。また、本基準は、事業者団体等による「自主行動計画」の策定又は改定に当たり主要な要素の一つとして参照され、並びに親事業者及び下請事業者の望ましい取引慣行の遵守等を事業者の代表者名で宣言する「パートナーシップ構築宣言」のひな形の作成又は改定に当たり参照されることが期待される。
第1 下請事業者の生産性の向上及び製品若しくは情報成果物の品質若しくは性能又は役務の品質の改善に関する事項
1 下請事業者の努力
下請事業者は、生産年齢人口の減少等に伴う人手不足、経済の国際化の一層の進展等に適切に対応するため、働き方を見直し、魅力ある職場づくりに努めるとともに、脱炭素化を始めとするグリーン化、電子受発注の導入を始めとする情報化等の課題に適切に対応するため、技術開発、設備投資、親事業者その他の事業者との連携等により、生産性の向上及び製品若しくは情報成果物の品質若しくは性能又は役務の品質の改善に努めるものとする。
2 親事業者の努力
親事業者は、下請事業者が働き方改革、生産性の向上等に取り組むことができるよう配慮して、下請事業者に対する発注条件、取引条件等を設定するよう努めるとともに、下請事業者のグリーン化、情報化等を支援し、また、下請事業者その他の事業者と既存の取引関係、系列、企業規模等を超えた連携を進めること等により、サプライチェーン全体における付加価値向上及び共存共栄の実現に努めるものとする。
第2 発注書面の交付その他の方法による親事業者の発注分野の明確化及び親事業者の発注方法の改善に関する事項
1 発注分野の明確化
(1) 親事業者は、下請事業者が長期的な需要見通しの下に経営方針を立てることができるよう、下請事業者に対する発注分野(※)をできる限り具体的に定め、提示するものとする。
その際、下請事業者は親事業者から提示された情報の秘密を保持するものとする。
※親事業者自らがどのような物品を製造若しくは修理し、どのような情報成果物を作成し、又はどのような役務を提供するのかを明らかにした上で、下請事業者に何を発注するのかを指し示す具体的内容をいう。
(2) 親事業者は、(1)の規定により提示した発注分野を、できる限り変更しないよう努めるものとする。
親事業者は、自らの都合により、やむを得ず発注分野を変更しようとするときは、下請事業者に対し、その経営に著しい影響を及ぼさないよう、相当期間前に当該変更の内容を明示するものとする。
2 長期発注計画の提示及び発注契約の長期化
親事業者は、継続的な取引関係を有する下請事業者が、安定的かつ合理的な生産又は提供を行うことができるよう、発注計画期間を長期化し、かつ、これに沿った発注を行うよう努めるものとする。
3 発注の安定化、リードタイムの確保等
(1) 親事業者は、下請事業者に対する発注に係る物品、情報成果物及び役務(以下「物品等」という。)の発注量の大幅な変動をできる限り回避するものとし、特に、発注量を親事業者の生産量又は提供量の変動の増減率以上に変動させないよう努めるものとする。
(2) 親事業者は、発注量をできる限り平準化させるものとするほか、将来の発注に関する事前情報の精度の向上、物品等の標準化及び規格の整理統合に努めるものとする。
(3) 親事業者は、下請事業者に発注するときは、下請事業者の生産に必要なリードタイム、原材料の最小購入単位等を十分に考慮して発注するものとする。
(4) 親事業者は、発注予定数量を下請事業者に提示し、その後、合理的理由なく発注予定数量と実際の発注数量に大きな乖離が生じた場合であって、下請事業者から要請があったときは、その費用負担の軽減に配慮しつつ、下請事業者と十分に協議を行い、余剰となる製品在庫及び残材の買取りを行い、並びに労務費、外注費その他の諸経費の増加分を支払う等の措置を講ずるものとする。
4 納期及び納入頻度の適正化等
(1) 納期及び納入頻度は、下請事業者にとって無理がなく、かつ、労働時間の短縮が可能なものとなるよう、親事業者及び下請事業者が協議して決定するものとする。その際、親事業者の需要により、多頻度小口配送等を要請する場合には、その必要なコストは親事業者が負担するものとする。
(2) 親事業者は、下請事業者の労働時間短縮等の働き方改革の妨げとなる週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入、発注内容の変更等を抑制するとともに、下請事業者の納入事務の軽減に協力するものとする。
親事業者の都合により、やむを得ず、下請事業者が残業、休日出勤等により対応せざるを得ない短納期発注、週末発注等を行う場合には、親事業者はその追加コストを負担するものとする。
(3) 親事業者は、発注後における発注内容の変更、追加発注、支給材(親事業者から支給される原材料、半製品、部品、資材等をいう。以下同じ。)の支給の遅延等により、あらかじめ定めた納期が下請事業者にとって無理なものとなった場合には、下請事業者の不利益にならないよう、その納期を変更する等の措置を講ずるものとする。
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