次世代育成支援対策法に基づく一般事業主行動計画の策定等に関する指針の一部改正について
令和6年10月31日|p.118-120
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⑵ 労働者の意見の反映のための措置
仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備に対する労働者のニーズは様々であ
り、必要な雇用環境の整備を効果的に実施するためには、こうした労働者のニーズを踏ま
えることが重要である。このため、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や意見聴
取等の方法により、次世代育成支援対策に関する労働者の意見の反映について、企業の実
情に応じて工夫することが必要である。これと併せて、両立支援に対するニーズの把握に
向けたトップダウン・ボトムアップでの取組、当事者間のつながりによるコミュニティと
のコミュニケーションなど多様な手段を活用することが望ましい。
⑶ 一般事業主行動計画の計画期間
一般事業主行動計画は、経済社会環境の変化や労働者のニーズ等を踏まえて策定される
必要があり、計画期間内において、一定の目標が達成されることが望ましい。したがって、
計画期間については、各企業の実情に応じて、次世代育成支援対策を効果的かつ適切に実
施することができる期間とすることが必要であり、令和七年度から令和十六年度までの十
年間をおおむね二年間から五年間までの範囲に区切り、計画を策定することが望ましい。
⑷ 状況把握・課題分析
少子化への対応として、男女がともに育児・家事を担いつつ、希望に応じて仕事やキャ
リア形成との両立を可能にしていくことが求められる。女性が働きやすい職場だけでなく、
男女がともに希望に応じて仕事と子育てを両立できる職場を目指すためには、育児休業の
取得を始めとした両立支援制度の利用状況の男女間の格差や、子育て期でない労働者も含
め、長時間労働の状況を改善していくことが重要である。
このため、一般事業主が、一般事業主行動計画を策定し、又は変更しようとするときは、
直近の事業年度における職業生活と家庭生活との両立に関する状況に関し、次のア及びイ
の事項を把握し、課題分析を行うことが求められる。
ア その雇用する男性労働者であって配偶者が出産したものの数に対するその雇用する男
性労働者であって育児休業等(施行規則第一条の二第一項第一号に規定する育児休業等
をいう。以下この⑷において同じ。)をしたものの数の割合又はその雇用する男性労働者
であって配偶者が出産したものの数に対する、その雇用する男性労働者であって育児休
業等をしたものの数及び育児目的休暇制度(同号に規定する育児目的休暇制度をいう。
以下この⑷において同じ。)を利用したものの数の合計数の割合
イ その雇用する労働者(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する
法律(平成五年法律第七十六号)第二条第一項に規定する短時間労働者を除く。)一人当
たりの各月ごとの時間外労働及び休日労働の合計時間数等の労働時間(労働基準法(昭
和二十二年法律第四十九号)第四十一条の二第一項の規定により労働する労働者にあつ
ては、同項第三号に規定する健康管理時間)の状況
なお、これらの事項の把握に際して、それまでに一般事業主行動計画を策定していた一
般事業主は、直近の計画期間におけるこれらの事項や、各企業の実情に応じ、その他の労
働者の職業生活と家庭生活との両立に関する状況に関連する事項や数値等についても把握
しておくことが望ましい。
| また、これらの課題分析は、各事業主の実情に応じて行われるべきものであるが、男女間で両立支援制度の利用状況に差があり、女性に育児負担が偏りがちである現状が見られることや、男女ともに働き方を見直していくことが必要であることを踏まえ、労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、次の方法も参考に、課題分析を行うことが効果的である。 |
| アに関する分析の観点例 | 取組例 |
| ○|男女がともに育児休業等、育児目的休暇制度等を取得できる状況にあるか。希望どおりの期間が取得できる状況にあるか。 | ○|定期的な労働者の意識調査(職場風土に関するもの)の実施と改善策の実行 |
| ○|男性労働者が希望どおりに育児休業等を取得できる職場風土であるか。 | ○|職場と家庭の両方において男女がともに貢献できる職場風土づくりに向けた意識啓発 |
| また、職場と家庭の両方において男女がともに貢献できる職場風土となっているか。 | ○|企業トップによる仕事と子育ての両立支援の推進に向けたメッセージの発信 |
| ○|周囲に気兼ねなく育児休業等を取得できるよう、業務体制の見直しや代替業務に対応する体制の整備等が行われているか。 | ○|育児休業制度及び出生時育児休業制度の個別周知・意向確認の徹底 |
| ○|育児休業等の取得や取得した期間、子育て期間中の労働時間の制約が、評価・登用において不利になっていないか。 | ○|育児休業等や、短時間勤務制度等の子の年齢に応じて利用可能な両立支援制度に関する労働者・管理職への周知徹底(ガイドブックの作成・配布等) |
| ○|育児休業等を取得しやすい雇用環境整備としての育児休業制度等に関する研修の実施 |
| ○|仕事と子育ての両立の推進、必要な業務体制及び働き方の見直し等に関する管理職を対象とした研修・説明会の実施 |
| ○|仕事と子育ての両立を前提としたキャリアイメージ形成や配偶者との家事分担等の検討を促すための若手の労働者を対象とした研修・説明会の実施 |
| ○|育児休業等の取得が中長期的に不利とならないような人事評価制度や運用等の見直しの実施 |
| ○|管理職に対する業務負荷軽減等の支援の検討・実施 |
| ○|業務の見直し・効率化のための取組の実施 |
| ○|育児休業等取得者の代替業務に対応する労働者(業務代替者)の確保、業務代替者への手当(賃金の増額)等の検討・実施 |
| イに関する分析の観点例 | 取組例 |
| ○|長時間労働ゆえに仕事と家庭の両立が困難となっていないか。また、子育てを行う労働者のみならず、全ての労働者について長時間労働になっていないか。 | ○|組織のトップからの長時間労働は正に関する強いメッセージの発信 |
| ○|長時間労働が、個々の職場だけでなく、組織全体の問題として対応されているか。 | ○|組織全体・部署ごとの数値目標の設定と徹底的なフォローアップ |
| ○|長時間労働の背景として、長時間労働自体が努力の証として評価されたり、時間当たりの生産性よりも、期間当たりのアウトプットの量によって評価されたりするような職場風土・評価制度になっていないか。 | ○|組織のトップの会議での部署ごとの残業時間数等の公開・評価の実施 |
| ○|特定の部署・特定の担当者・特定の時期に、特に長時間労働となっていないか。 | ○|不払い残業化させないための無記名アンケートや無作為ヒアリング等の徹底したチェック |
| ○|必要な時に、休みが取れる職場になっているか。 | ○|残業が一定時間数を超える場合の本人と上司に対する通知・指導等 |
| ○|生産性の高い働き方の実現に向け、業務の優先順位や、業務プロセス等の見直しに対して、管理職等のマネジメントが的確になされているか。 | ○|時間当たりの労働生産性を重視した人事評価 |
| ○|管理職の人事評価における長時間労働是正・生産性向上に関する評価 |
| ○|管理職の長時間労働是正に向けたマネジメントに対する三百六十度評価(部下からの評価) |
| ○|帰りやすい職場風土等に向けた管理職自身の勤務時間管理の徹底 |
| ○|部署横断的な人員配置の見直しを行いうる職位の高い責任者の指名と不断の人員配置の見直し |
| ○|属人的な業務体制の見直し・複数担当制や、労働者の「多能工化」による業務のカバー体制の構築 |
| ○|個人単位で業務の繁閑がある場合でも、チーム全体で勤務時間内に業務を終了させるため、労働者間の助け合いの好事例発表・評価等による互いに助け合う職場風土の醸成 |
| ○|管理職の長時間労働是正に向けたマネジメント力の強化のための研修 |
| ○|チーム内の業務状況の情報共有・上司による業務の優先順位付けや業務分担の見直し等のマネジメントの徹底 |