その他令和6年10月23日
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づく低炭素水素等供給等事業の実施要領等
号外p.82 - p.83
号外p.82-p.83
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脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律に基づく低炭素水素等供給等事業の実施要領等
令和6年10月23日|p.82-83
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こうした見通しの下、まずは脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(令和五年法律第三十二号)第七条第一項の規定により発行される脱炭素成長型経済構造移行債(以下「GX経済移行債」という。)を活用し、令和十二年度を目途に大規模かつ強靭な低炭素水素等のサプライチェーンの構築を目指す。この際、鉄鋼・化学・運輸といった脱炭素化が困難な分野で、こうしたサプライチェーン構築に資する発電分野において、変革の嚆矢となる低炭素水素等供給等事業計画に対し支援措置を講ずることで、先行的で自立が見込まれるプロジェクトを立ち上げていく。
第二 低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する事項
一 低炭素水素等の利用を特に促進すべき事業分野に関する事項
低炭素水素等が様々な分野で幅広く利用されていくためには、成長志向型カーボンプライシングをはじめとした様々な制度が有効に機能することで、低炭素水素等の経済合理性を徐々に高めながら、需要家に選択される環境を整える必要がある。換言すれば、低炭素水素等が十分な経済合理性を有するまでの間は、低炭素水素等の価格は化石燃料に比べ相対的に高い状況が続くことから、選択されにくいエネルギー又は原材料であり、普及量も一定程度とならざるを得ない。この間、低炭素水素等は、いわば稀少財であることから、鉄鋼・化学・運輸といった代替技術がなく脱炭素化が困難な分野・用途に優先的に供給していくことが必要である。
他方、現状では、こうした分野における低炭素水素等との需要量は限定的であり、大規模かつ強靭な低炭素水素等のサプライチェーンの構築につながるほどの需要量とはならないことが見込まれる。加えて、再生可能エネルギーの変動性を補う調整力や供給力を確保する観点等から火力発電は引き続き重要であり、この脱炭素化を図る必要がある。こうしたことから、発電における低炭素水素等の利用を取り込むことによって、電力分野の脱炭素化を進めつつ、大規模かつ強靭な低炭素水素等のサプライチェーンの構築につながる需要を安定的に確保していく。
二 エネルギーの安定的かつ低廉な供給を確保しつつ脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を図るために重点的に実施すべき低炭素水素等供給等事業の内容及び実施方法に関する事項
GXの実現に向け、我が国では、GX経済移行債を創設し、GX経済移行債の資金の使途については、「規制・制度的措置と一体的に講じていく」ことに加え、「民間のみでは投資判断が真に困難な案件であって、産業競争力強化・経済成長及び排出削減のいずれの実現にも貢献する分野への投資を対象とする。」という国による投資促進策の基本原則を示したところである。現状、低炭素水素等の価格が化石燃料に比べて高いために、利用側は大規模な投資に踏み切れず、供給側も利用側が大規模かつ強靭なサプライチェーンの構築に踏み出せないゆえ、低廉な低炭素水素等が供給されない現状である。こうした状況を打破すべく、エネルギーの安定的かつ低廉な供給の確保を大前提に、GXの実現に向けて、法第十条第一号イに規定する資金に充てるための助成金の交付(以下「価格差に着目した支援」という。)及び同号ロに規定する資金に充てるための助成金の交付(以下「拠点整備支援」という。)という支援措置を講ずる。
1 価格差に着目した支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の内容
価格差に着目した支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の内容は、エネルギー政策、すなわち、安全性、安定供給、環境適合性及び経済効率性の観点並びにGX政策、すなわち、脱炭素化及び産業競争力の強化・経済成長の両立の観点から、次の項目に照らして評価するものとする。ただし、(1)①、②イ並びに(2)①イは価格差に着目した支援を受けようとする低炭素水素等供給等事業計画が必ず満たすべき要件(以下「必須の要件」という。)とする。
(1) エネルギー政策
① 安全性
安全に関する法令に係る許認可等を取得する見込みがあること。
② 安定供給
イ 低炭素水素等の供給量が水素換算で少なくとも年間千トンを超えること。
ロ 国内で低炭素水素等を製造すること。
ハ 価格差に着目した支援の採択案件全体を通じた、供給源の多角化、生産地・技術・燃料の多様化に資すること。
ニ 我が国企業による上流権益の参入比率が高いこと、価格の安定性が高いこと。
③ 環境適合性
低炭素水素等の炭素集約度が相対的に低いこと。
④ 経済効率性
イ 支援終了後に自立的な供給が可能となる水準にまで供給コストが低減すること。
ロ 経済的かつ合理的な方法で脱炭素化に資する資源を活用すること。
ハ 同種の事業と比べ、供給コストに優位性があること。政府による支援額当たりの低炭素水素等の供給量等の事業効率が高いこと又は支援総額が少ないこと。
(2) GX政策
① 産業競争力の強化・経済成長
イ 鉄鋼・化学・運輸といった脱炭素化が困難な分野・用途に供給していること。
ロ 国内への経済的波及効果が大きく、拡張性があること。
ハ 低炭素水素等供給事業及び低炭素水素等利用事業の双方において、我が国産業の国際競争力の強化に寄与すること。
ニ 国際的に脱炭素化に向けた規制が整備されていない等、低炭素水素等の利用促進が困難な分野・用途に供給していること。
ホ 同種の事業と比べ、投資決定又は低炭素水素等の供給開始が早期に行われること。
ヘ 国内への投資や雇用創出等の規模が大きいこと。
ト 市場の将来を見据え、支援終了後に自立的な供給が可能となる水準にまで供給コストを低減させるための工夫その他の政府による支援から自立するための工夫がされていること。
チ 技術革新性又は競争優位性があること。
リ 低炭素水素等供給等事業を行い、又は行おうとしている地域において、その地域に立地する事業者、地方公共団体等により、将来の低炭素水素等の広域的な供給及び利用が構想され、当該構想を踏まえ低炭素水素等供給等事業計画が作成されていること。
② 脱炭素化
国内での二酸化炭素の排出削減に寄与すること。
2 価格差に着目した支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の実施方法
価格差に着目した支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の実施方法は、低炭素水素等供給等事業が円滑かつ確実に実施されることを確認する観点から、次の項目に照らして評価するものとする。
(1) 低炭素水素等供給等事業計画の確実性及び妥当性
① 低炭素水素等利用事業者による低炭素水素等利用事業の確実性が高いこと。
② 計画全体における施設の設計、工事若しくは運転計画、資金計画、上流権益の取得状況、原料・電力供給等の長期間の確保、CCSを行う場合の貯留地の確保、自治体との協調等に関し、確実性及び妥当性が高いこと。
(2) 国と低炭素水素等供給等事業を行い、又は行おうとする者とのリスク分担の妥当性
① ファイナンスリスクや供給開始リスクへの対応のため、基準価格(低炭素水素等供給事
業者による低炭素水素等の供給を継続的に行うことを可能とする当該低炭素水素等の単位
量当たりの価格をいう。)及び参照価格(低炭素水素等利用事業者が既存の原料・燃料に代
替して低炭素水素等の利用を行う場合における当該原料・燃料の単位量当たりの価格をい
う。)が、定められた基本的な考え方に基づき、設定されていること。
② 低炭素水素等を輸入する相手国の地政学的リスクに対応していること。
3 拠点整備支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の内容
拠点整備支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の内容は、エネルギー政策の観点及びGX政策の観点から、次の項目に照らして評価するものとする。ただし、(1)①②並びに(2)①イ、トは拠点整備支援を受けようとする低炭素水素等供給等事業計画が満たすべき必須の要件とする。また、(2)①ルは必須の要件であるとともに評価項目としても用いる。
(1) エネルギー政策
① 安全性
安全に関する法令に係る許認可等を取得する見込みがあること。
② 安定供給
低炭素水素等の供給量が水素換算で少なくとも年間一万トンを超えること。
③ 環境適合性
低炭素水素等の炭素集約度が相対的に低いこと。
④ 経済効率性
支援終了後に自立的な供給が可能となる水準にまで供給コストが低減すること。
ロ 経済的かつ合理的な方法で脱炭素化に資する資源を活用すること。
ハ 政府による支援額当たりの低炭素水素等の供給量及び二酸化炭素排出量の削減量等の事業効率が高いこと又は支援総額が少ないこと。
(2) GX政策
① 産業競争力の強化・経済成長
イ 鉄鋼・化学・運輸といった脱炭素化が困難な分野・用途に供給していること。
ロ 国内への経済的波及効果が大きく、拡張性があること。
ハ 低炭素水素等供給事業及び低炭素水素等利用事業の双方において、我が国産業の国際競争力の強化に寄与すること。
ニ 国際的に脱炭素化に向けた規制が整備されていない等、低炭素水素等の利用促進が困難な分野・用途に供給していること。
ホ 市場の将来を見据え、支援終了後に自立的な供給が可能となる水準にまで供給コストを低減させるための工夫その他の政府による支援から自立するための工夫がされていること。
ヘ 技術革新性又は競争優位性があること。
ト 地域経済への貢献があること。
チ 地域の産業構造を踏まえた将来の道筋を示していること。
リ 具体的な地域経済への投資や雇用創出等の規模が示されていること。
ヌ 低炭素水素等供給等事業を行い、又は行おうとしている地域において、その地域に立地する事業者、地方公共団体等により、将来の低炭素水素等の広域的な供給及び利用が構想され、当該構想を踏まえ低炭素水素等供給等事業計画が作成されていること。
ル 周辺地域の低炭素水素等の潜在的需要の創出や、カーボンリサイクル・CCUSを含む新たな技術を柔軟に取り込むことができる中長期的な見通しを持った拠点整備計画となっていること。
ヲ 周辺地域の低炭素水素等の需要の増加に応じて設備を拡張することができる用地が確保できる見込みがあること。
ワ 地域間で低炭素水素等の供給及び利用に係る連携の可能性があること又は後発で低炭素水素等を供給若しくは利用しようとする地域に低炭素水素等の供給若しくは利用を展開する可能性があること。
4 脱炭素化
② 国内での二酸化炭素の排出削減に寄与すること。
拠点整備支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の実施方法
拠点整備支援の対象となる低炭素水素等供給等事業の実施方法は、低炭素水素等供給等事業が円滑かつ確実に実施されることを確認する観点から、次の項目に照らして評価するものとする。ただし、(1)は必須の要件とする。また、(2)、(3)、(5)は必須の要件であるとともに評価項目としても用いる。
(1) 低炭素水素等の供給を行う地点から利用を行う地点までにおける低炭素水素等の輸送又は貯蔵のために必要な設備であって、複数の低炭素水素等利用事業者が共同して使用するもの(導管や貯蔵設備等)が低炭素水素等供給等事業計画に含まれていること。
(2) 拠点整備に関する明確なビジョンがあり、それに対するコミットメントを示し強力にそれを推進するリーダーシップを持つ事業者及びその事業者を中心とした適切な体制があること。
(3) 低炭素水素等供給事業者による低炭素水素等供給事業の確実性及び妥当性が高いこと。
(4) 拠点整備までの具体的な計画が策定されていること及び拠点整備の時期が明確化されていること。
(5) 低炭素水素等の供給、輸送、貯蔵又は利用に関する事業者等との間で低炭素水素等供給等事業計画の実施に当たっての合意形成の見通しがあること(地方公共団体等との連携及び地域住民からの理解を含む)。
(6) 低炭素水素等供給等事業計画の実施に当たって利用する港湾の港湾管理者と十分な調整を行っていること及び気候変動に伴う潮位上昇等への対策が計画されていること。
三 低炭素水素等供給等事業により得た知見を活用して行う脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する取組に関する事項
1 価格差に着目した支援及び拠点整備支援により支援を受ける低炭素水素等供給等事業が契機となり、令和十二年度以降における後発の低炭素水素等のサプライチェーンの構築につながっていくことが重要である。このため、支援を講ずるに当たっては、当該支援で得られた知見を適切に活用して、国内外で新たに関連事業を実施する等の取組を予定していることを確認することとする。
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