その他令和6年10月10日
エネルギー部門におけるメタンの低減に関する協力(第七条)
号外p.4 - p.11
号外p.4-p.11
出典:官報発行サイト(内閣府)の掲載情報をもとに整理しています。重要な確認は公式原文を基準にしてください。
出典・注意
官報発行サイト(内閣府)の掲載情報をもとに整理しています。重要な確認は公式原文を基準にしてください。
公告概要
協力作業計画、IPEFクリーン経済委員会、情報の共有、最終規定等
本文と原文の対照
まず左側の本文を読み、必要な箇所だけ原文ページで確認できる構成です。
← 同日の官報に戻る
原文対照の表示オプション
第七条
エネルギー部門におけるメタンの低減
1
締約国は、特にエネルギー部門における費用対効果の大きい措置を通じて、浪費されたメタンを
回収することの利益を認識し、及び二千三十年までに世界全体の人為的なメタンの排出の削減に寄
与する取組を支援する意図を有する。
第八節 工業部門及び運送部門における温室効果ガスの低排出及び解決策の推進
1 締約国は、それぞれの経済における工業の重要な役割を考慮しつつ、工業を脱炭素化するために
必要な効果的で入手可能かつクリーンな技術の研究開発、商業化及び展開を円滑にすることの重要
性を認識する。
2 各締約国は、工業における低排出及びゼロ排出の原材料、技術及び解決策に対する一層大きな需
要を生み出すための手段(奨励措置又は中央政府の政府調達を含めることができる。)を促進する意
図を有する。
3 締約国は、工業における温室効果ガスの排出削減の重要性を認識し、及びその削減に向けて取り
組む意図を有する。
4 締約国は、関連する製品(工業製品、工業用の水素及び建設資材を含む。)に内包された温室効果
ガスの排出に関する製品情報の開示及び測定の制度の構築について協力する意図を有し、並びに当
該制度の中小企業への影響を考慮することができる。
第九条 航空、海上、鉄道及び道路の運送における温室効果ガスの低排出及びゼロ排出に係
る技術及び解決策の推進
1 締約国は、航空、海上、鉄道及び道路の運送について脱炭素化し、及び他の方法により気候変動
への影響を低減することの重要性を認識する。このため、締約国は、次のことを行う意図を有する。
(a) クリーンで革新的な技術の開発、商業化、利用可能性、利用の容易性、展開及び導入を円滑に
するために、並びに低排出及びゼロ排出の運送の利用を促進する政策及び戦略を推進するために、
協力すること。
(b) 関連する場合には、地域における低排出及びゼロ排出の運送に関する計画及び管理について協
調すること。
(c) 適当な場合には、国境を越える持続可能な航空燃料(SAF)の補給能力並びに船舶による運
送のための持続可能なゼロ排出及びゼロに近い排出の燃料油供給方法の発展、採用及び互換性を
奨励すること。
(d) 締約国が決定するところにより、地域における他の計画及び管理についての取組において協力
すること。
2 締約国は、更に、電池の再生利用市場及びサプライチェーンを拡大するために取組(新たな電池
の製造における再生材料の利用のための再利用、二次利用及び再生利用の基準を策定すること、再
利用、二次利用及び再生利用に関する新たな技術の研究開発を推進すること並びに環境上適正な電
池の解体及び処理の追跡システムを奨励することを含めることができる。)を促進する意図を有す
る。
3 締約国は、航空について気候変動への影響に対処する緊急の必要性を認識する。このため、締約
国は、次のことを行う意図を有する。
(a) 国際民間航空機関(以下「ICAO」という。)の総会(第四十一回会期)で採択された決議A
二十一号において採用された二千五十年までに国際民間航空によるネットゼロの炭素排出との世
界全体での野心的な共通の長期目標であって、パリ協定の気温に関する目標を支援するためのも
のについて、各締約国の特別な状況及び各締約国のそれぞれの能力(例えば、発展の水準、航空
市場の成熟度、国際航空の持続可能な成長、公正な移行及び航空運送の発展に係る優先事項)が
自国の国内の時間的な枠の中で当該長期目標に貢献するよう努めるために協働すること。
(b) 適当な場合には、シカゴ条約の第十六附属書(第四巻)の規定に基づく地域における国際航空
のためのカーボン・オフセット及び炭素削減に係る制度への広範な参加並びにその実施の強化を
奨励するために協力すること。その協力には、参加を円滑にすることができる強固な能力開発の
活動を通じたものを含む。
(c) 地域における航空部門内の排出削減に係る措置の実施について、最大限可能な水準の進展を達
成するために協力すること。その協力には、次のことを含む。
(i) 継続的な技術進歩を通じて更に著しく排出を削減する持続可能な航空燃料(SAF)の生産
及び利用可能性を拡大することも目的として、ICAOが採用する持続可能な航空燃料(SA
F)のための温室効果ガスの排出のライフサイクルに係る方法論を用いて、持続可能な航空燃
料(SAF)(石油を基礎としたジェット燃料を基準とし比較してライフサイクルにおい
て温室効果ガスの排出の大半を除去するものを含む。)の生産及び利用可能性を拡大するこ
と。
(ii) 地域の持続可能な航空燃料(SAF)の生産経路を多様化し、並びに地域の持続可能な航空
燃料(SAF)の原料を促進し、及び開発すること。
4 締約国は、海上運送について脱炭素化し、及び他の方法により気候への影響を低減する緊急の必
要性を確認し、並びに船舶からの温室効果ガスの排出削減に関する二千二十三年のIMOの戦略を
支持することを確認する。
5 締約国は、温室効果ガスのゼロ排出又はゼロに近い排出に係る技術、燃料又はエネルギー源であっ
て、IMOが採用する方法論に従って測定されるものの地域における生産及び利用可能性の拡大に
向けて取り組む意図を有する。
6 締約国は、グリーン海運回廊のネットワーク及び該当する場合には温室効果ガスのゼロ排出又は
ゼロに近い排出の内陸水運の発展について協力する意図を有する。締約国は、二千二十七年までに
地域において少なくとも五つのグリーン海運回廊を設置することを開始する意図を有する。グリーン
海運回廊及び該当する場合には温室効果ガスのゼロ排出又はゼロに近い排出の内陸水運についての
協力には、次のものを含めることができる。
(a) グリーン海運回廊及び温室効果ガスのゼロ排出又はゼロに近い排出の内陸水運を確立する一環
として必要とされる実行可能性調査その他の基礎的な分析
(b) 地域内の港湾における実証事業であって、インフラストラクチャーを構築し、若しくは入手可
能な技術を開発するもの又はIMOが採用する方法論に従って測定される温室効果ガスのゼロ排
出若しくはゼロに近い排出の燃料の十分な量の利用を可能とするもの
(c) 商業船舶上の全体的なエネルギーの消費を削減するエネルギー効率性及び運航の最適化に係る
活動
(d) 締約国及び利害関係者がグリーン海運回廊及び温室効果ガスのゼロ排出又はゼロに近い排出の
内陸水運の発展を支援するために追求することができる行動及び奨励措置に優先順位を付与する
ための都市、港湾、船舶による運送及び貨物の企業その他の利害関係者(代表的な労働者の団体
を含む。)の招集
(e) 温室効果ガスのゼロ排出又はゼロに近い排出の船舶による運送及び温室効果ガスのゼロ排出又
はゼロに近い排出の内陸水運を促進するための奨励措置の制度による影響に関する最良の慣行に
ついて監視し、評価し、報告し、及び情報を共有するための制度の構築
7 締約国は、道路及び鉄道の運送からのネットゼロ排出の達成に向けた移行(効率性の向上、電化、
低排出及びゼロ排出の燃料、公共交通機関及びアクティブ・モビリティへの投資並びに公共交通指
向型開発を通じたものを含む。)を加速することの重要性を認識する。
8 締約国は、この関係において、締約国がとっている多様な通筋に留意しつつ、道路運送部門を迅速に脱炭素化すること並びに今後十年間にわたってゼロ排出の運送を支援するインフラストラクチャー及び車両(例えば、ゼロ排出の車両、これに関連するインフラストラクチャー、持続可能なカーボンニュートラル燃料)を拡大することの重要性に焦点を当てる。締約国は、ゼロ排出の小型車(ゼロ排出の公共の車両を含む)の販売、生産、割合及び導入を著しく拡大させ、中型車及び大型車からの排出を著しく削減し、並びに充電及び充填のインフラストラクチャーに相当に投資するよう取り組む意図を有する。このため、締約国は、これを可能とするような政策(奨励措置、政府調達目標、生産目標又は販売目標の利用を含めることができる)の策定を検討する意図を有する。締約国は、これらの措置及び政策が高度に脱炭素化された道路運送部門に寄与する(二千三十年までに世界全体で販売される小型車のうち、ゼロ排出の小型車の割合が五十パーセントを超えることに寄与することを含む)機会を提供することに留意する。
9 締約国は、エネルギーの利用に関する透明性を提供する車両のラベル等による表示の制度の利用を推進することについて協力を有する。その協力には、当該制度の実施に関する意見及び最良の慣行の交換を含めることができる。
10 締約国は、政府の車両による排出の削減(ゼロ排出の乗用車の新車の取得を相当に増大させることを通じたものを含む)に当たり、中央政府の政府調達の役割を認識する。
11 締約国は、運送のために電化、電池による駆動及び持続可能な燃料を拡大すること、鉄道システムの運用、維持及び建設からの温室効果ガスの排出を削減すること並びに有益な場合には旅客及び貨物の運送に対して一層効率的な選択肢を提供するために鉄道網を拡大することを支援する意図を有する。
12 各締約国は、また、公共交通機関及び能動的な交通手段(徒歩、自転車等)の態様の割合を高めることができるよう、運送計画の改善のための取組並びに土地利用及び運送のインフラストラクチャーの設計において全ての段階の政府を奨励する意図を有する。
第十条経済クラスターにおける温室効果ガスの低排出に係る技術及び解決策の推進
1 締約国は、クリーン経済への移行、生産性、開発、成長及び雇用の創出の原動力としての経済クラスターの重要性を認識する。締約国は、更に、温室効果ガスの排出を削減するための締約国の取組の一環として、クリーンエネルギー及び持続可能な運送(低炭素及びゼロ炭素の水素に係るハブを通じたものを含む)を促進し、並びに製品及び製造工程を脱炭素化する機会を認識する。
2 関心を有する締約国は、二千三十年までに、脱炭素化に係る事業に従事している既存の経済クラスターであって、クリーン技術並びに低排出及びゼロ排出の物品及びサービスに焦点を当てたものを推進する意図を有する。当該関心を有する締約国は、次のことを行う意図を有する。
(a) この協定の目的に沿って、特定された経済クラスターにおける脱炭素化の取組を推進するための事業の開発について協働し、及び関連する利害関係者と共に取り組むこと。
(b) 効率性の向上により具体的な費用の節約をもたらし、統合された、かつ、強靭なクリーンエネルギーのサプライチェーンを構築し、イノベーションに係るエコシステムを促進し、及び地域全体におけるビジネス関係の強化を奨励することを目的として、(a) に規定する取組への企業の参加を奨励すること。
3 関心を有する締約国は、経済クラスターにおけるエネルギー、温室効果ガス及び環境上の管理に関する最良の慣行の統合を奨励する意図を有する。
第D節持続可能な土地、水及び海洋に関する解決策
第十一条持続可能な農業の実施
1 締約国は、農業部門の重要性を認識するとともに、農業生産性の向上の拡大を通じたクリーン経済への移行(温室効果ガスの排出を低減させ、国際的な食料安全保障及び水の安全保障を支え、並びに気候変動の影響に適応することとなる実施を通じたものを含む)に関し、農業部門が、当該移行に寄与する機会を創出し、及び当該移行に対する課題をもたらすことを認識する。
2 締約国は、持続可能な水及び土地の利用並びに気候変動に対応する農業(注1)及び気候変動に対して強靭な農業(注2)に係る実施、政策及び技術(気候変動に対する強靭性及び適応を強化し、農業生産性の向上を拡大させ(温室効果ガスの排出の低減となる実施を通じたものを含む)、水利用の効率性を向上させ、廃棄物の隔離を拡大し、廃棄物を削減し、養分管理を改善し、クリーンエネルギーを生産し、並びに生物多様性及び生態系から得られる利益を増大させるものを含む)の開発及び展開を通じて、農業生産性の環境上の成果を向上させる意図を有する。
注1 「気候変動に対応する農業」は、IPCCが二千十八年に作成した特別報告書の附属書I(用語集)に定める意味を有する。
注2 「気候変動に対して強靭な農業」とは、IPCC第六次評価報告書二千二十二年の気候変動・影響・適応及びぜい弱性に対する第二作業部会の寄稿に記載された気候変動に対する強靭性を高めるために適応した農業の実施をいう。
3 締約国は、更に、締約国の共通の目的を達成するために、明確な政策、革新的な手段、技術及び実施並びに女性、先住民、障害者、農村及び遠隔地の住民、農業従事者及び農村の土地所有者を含む)、マイノリティ、地域社会、民間部門並びに研究機関との連携の重要性を認識する。
4 締約国は、循環型経済の取組方法を推進するための協力を増大させ、並びに持続可能な生産及び消費の類型に関する政策及び最良の慣行についての情報を交換することにより、資源の効率性及び農業上の廃棄物の持続可能な管理を推進する意図を有する。
5 締約国は、気候変動に対応する農業及び食料システム並びに気候変動に対して強靭な農業及び食料システムのイノベーションへの投資及び支援の拡大について協力する意図を有する。
6 締約国は、気候変動に対応し、かつ、持続可能な農業及び気候変動に対して持続可能な農業の実施、政策及び技術に関する研究、開発及び展開についての協力を推進する機会を探求し、並びに関連する国際的な取組を通じて協力活動を実施する意図を有する。
7 各締約国は、関連する政府機関及び非政府機関並びに利害関係者(国際的な研究センター、機関、実験室のネットワーク等)に対し、国際的及び国内的な段階においてイノベーションに関する技術的な討議及び協調に貢献するよう奨励する意図を有する。
8 締約国は、自国のクリーン経済への移行の要素として、気候変動に対応する農業及び気候変動に対して強靭な農業についての取組を加速するために協働する意図を有する。その取組には、温室効果ガスの排出を削減し、水の効率性を向上させ、土壌の養分管理の改善を達成し、食品の損失及び廃棄を削減し、肥料の損失及び廃棄を削減し、並びに革新的な研究、実証及び訓練を支援するための実施、技術及び政策の採用を促すことができる。
第十二条森林の持続可能な経営及び他の自然の生態系の持続可能な管理
1 締約国は、気候変動の緩和及び気候変動に対する強靭性、クリーン経済への移行並びに生物多様性、生態系から得られる利益及び人の健康の向上のために持続可能な方法で森林を経営し、及び他の自然の生態系を管理することの重要性及び利益を認識する。締約国は、更に、持続可能で包摂的な経済成長及び開発を推進し、並びに現在及び将来の世代に対して環境上、経済上及び社会上の利益を提供するに当たり、森林その他の自然の生態系がそのような推進及び提供を可能としている役割を認識する。
2 締約国は、森林の持続可能な経営及び他の自然の生態系の持続可能な管理並びに森林及び他の自然の生態系の保全及び再生の慣行を強化するために協力する意図を有する。その協力には、適当な場合には、森林減少及び森林の劣化の要因を特定し、並びにこれに対処すること、合法的に伐採された木材及び伐採された木材製品の利用による炭素に関する便益を促進すること、再植林及び森林再生を強化すること並びに森林関連データの利用可能性及び有用性を改善すること(技術的な知見の交換を円滑にすることを通じたものを含む)を含めることができる。
3 締約国は、地域から相当な量の農産物及び林産物を調達する消費財の企業又はその関連する代表的な団体と共に取り組むこと等により、生産性の持続可能な向上を促進し、及び適当な場合には持続可能なサプライチェーンを支援する意図を有する。
4 各締約国は、自国の状況にとって適当な範囲内で、合法的に伐採された林産物及び持続可能な農業生産性の向上のための方法の策定及び実施を促進するため、利害関係者との協力及び協議を発展させ、及び強化する意図を有する。5 各締約国は、自国のクリーン経済への移行の一環として、森林の持続可能な経営に向けた国内の調整された取組(気候変動の緩和及び気候変動への適応のための自然に基づく解決策(注)及び生態系に基づく取組方法を検討すること並びに適当な場合には伝統的な先住民の知識を活用することによるものを含む。)を推進する意図を有する。注 国際連合環境計画の国際連合環境総会(第五回会期)で採択された二千二十二年三月二日の決議五に定義するところによる。第十三条 持続可能な水に関する解決策及び海洋に基づく解決策1 締約国は、持続可能な水に関する解決策及び海洋に基づく解決策が自然に基づく解決策及び生態系に基づく取組方法であることを認識し、また、自国のクリーン経済への移行に効果的に寄与するものとしての適当な社会上及び環境上の保障措置を伴う持続可能な水に関する解決策及び海洋に基づく解決策を促進するための行動を加速する必要性を認識する。2 締約国は、十分な洋上風力資源が利用可能である場合には、洋上風力エネルギーの開発の拡大を推進するための政策及び機会を検討する意図を有する。3 締約国は、海洋に基づくクリーンエネルギー(潮汐エネルギー、波エネルギー及び洋上風力を含む。)の重要な役割を認識する。このため、締約国は、次のことを行う意図を有する。(a) 可能な場合には、海洋に基づくクリーンエネルギーのサプライチェーンの構築及び統合について協力すること(適当な投資を誘引することを目的とするものを含む。)。(b) 自国のそれぞれのクリーンエネルギーに関する労働力において洋上のクリーンエネルギーに関する労働力の拡大を支援するための教育、職業訓練その他の措置に関する最良の慣行を共有し、及び推進すること。(c) 事業の開発、地図の作成及び海洋に基づくクリーンエネルギーの展開の可能性に係る評価に関する情報(適当かつ実行可能な場合におけるものに限る。)、技術的な知見及び最良の慣行を共有することによって協力すること。4 締約国は、気候変動の緩和及び気候変動への適応のためのブルーカーボンの生態系の重要性並びにブルーカーボンの貯留量を測定、報告し、検証し、及び管理するための確固とした方法論の重要性を認識する。締約国は、ブルーカーボンの保護及び再生を強化するための知識及び最良の慣行の共有並びに既存の取組及び海洋に関連する場を通じた協調及び能力開発によって協力する意図を有する。締約国は、適当な場合には、地域におけるブルーカーボンの保護及び再生に係る活動のための資金を動員するために協力する機会(実験的な事業についての協調によるもの及び可能性がある場合には炭素市場を通じたものを含む。)を探求する意図を有する。5 締約国は、気候変動の緩和及び気候変動への適応において淡水が果たす役割が重要であること並びに水の持続可能な管理が気候変動に対する強靱性及び自国のクリーン経済への移行に向けた取組にとって不可欠であることを認識する。6 締約国は、水に関連する気候に関する解決策を策定し、及び実施するために、例えば、次の取組について協調する意図を有する。(a) 水質汚染の抑制(b) 排水の管理及び処理の改善(c) 水の再利用、再生利用、効率性及び持続可能性に係る循環システムの強化(d) 治水及び水資源管理(適当な場合には、川の流域の規模でのものを含む。)の強化(e) 水に関連する生態系の保護及び再生(f) 水に関連する持続可能なインフラストラクチャーへの投資の奨励第E節 温室効果ガスの回収及び除去のための革新的な技術第十四条 温室効果ガスの除去1 締約国は、自国のそれぞれのネットゼロ排出の目標に向けた温室効果ガスの除去に係る安全、持続可能、革新的及び永続的な技術、バリューチェーン及び取組方法を拡大すること並びにこれらに係る費用を削減することの重要性を認識する。2 締約国は、次のことを行う意図を有する。(a) 地域全体において、直接的な空気回収又は二酸化炭素の除去に係る他の技術を利用する炭素の回収、利用及び貯留(CCUS)の需要と供給を支えるための自国の取組を強化し、並びに適当な場合にはこれらの工程の発展を加速するための行動をとること。(b) 世界全体の温室効果ガスの除去を推進し、及び加速するための低減技術を開発し、及び展開するためには炭素市場についての国際的な協力が必要となることを認識しつつ、地域的及び国際的な炭素の回収、利用及び貯留(CCUS)のバリューチェーンを構築すること並びに当該バリューチェーンに負担しやすい費用でアクセスすることについて協調すること。3 関心を有する締約国間での協調のための取組には、次のことを含めることができる。(a) アジアCCUSネットワークその他の地域団体等の既存の取組を活用しつつ、地域における炭素の地質学的な貯留の可能性の特徴を把握することについての技術的な協調を推進すること。(b) 運送及び貯留(国境を越えるものを含む。)の取組方法、政策及び保障措置について意見を交換すること。(c) 炭素の除去に係る事業の開発を奨励するための取組方法について協調すること。(d) 炭素の除去に係る事業の測定、報告及び検証について協調し、及び情報を交換すること。二千三十年までに地域において炭素の除去のために全体として少なくとも百億アメリカ合衆国ドルから百五十億アメリカ合衆国ドルまでの投資を促進するとの目標を支援すること(実証事業、公的部門若しくは民間部門の投資、炭素市場、資金調達又は官民間の連携に対する支援を含めることができる。)。(e) 地域における炭素の鉱物化及び炭素の地質学的な貯留に係る資源の可能性の共同評価を円滑にし、並びに実験的な事業を探求すること。(f) 低費用での炭素の回収及び利用(炭素の再生利用を含む。)に係る技術の研究、開発、能力開発(最良の慣行の共有を通じたものを含む。)及び展開について協調すること。(g) 炭素の除去及び炭素の地質学的な貯留に係る事業のための国際的な測定、報告及び検証の基準の策定について協調し、及び情報を交換すること。(h) 国境を越える炭素の隔離及び移動を円滑にするための政策上及び規制上の枠組み(炭素の会計、責任の管理、環境影響評価の実施並びに監視、報告及び検証の過程及び基準のための明確で国際的に認められた規則及び枠組みを含めることができる。)を策定する可能性を探求すること。(i) 地域における炭素の回収、利用及び貯留(CCUS)のバリューチェーンに係る事業のための実験的な計画及び実証事業に関し、明確な法令、政策及び可能とする枠組みによって支えられる形で、炭素を貯留する場所の開発を容易にし、及び当該バリューチェーンに係る事業の開発に向けた公的部門又は民間部門の潜在的な投資を動員するため、当該実験的な計画及び実証事業を支援すること。関心を有する締約国は、地域における炭素の回収、利用及び貯留(CCUS)のハブの構築に向けて取り組むことができる。第F節 クリーン経済への移行を可能とする奨励措置第十五条 需要側の措置の強化1 締約国は、クリーンな技術及び解決策の開発、商業化、展開及び利用の容易性を促進するため、低排出及びゼロ排出の物品及びサービスに対する需要を強化することの重要性を認識する。締約国は、次のことについて協調する意図を有する。(a) 規則、政策、任意規格、強制規格、温室効果ガスの排出の測定に係る取組方法及び適合性評価手続を定め、又は採用することを通じ、クリーン経済の運用に係る環境において一層の明確性、相互運用性及び確実性を提供すること。(b) 低排出及びゼロ排出の物品及びサービス(炭素に係るサービスを含む。)の国境を越える取引又は提供に対する潜在的な非関税障壁を軽減すること。
2 締約国は、低排出又はゼロ排出の物品及びサービスに対する需要に関連する公的部門及び民間部門の重要な役割を認識する。締約国は、地域を、温室効果ガスが低排出又はゼロ排出となる生産能力による経済的機会の増大を利用するために位置付ける意図を有する。これらの取組には、適当な場合には、次のことを含めることができる。
(a) 低排出又はゼロ排出の物品及びサービス並びに関連市場の開発を促進する取組を支援するために民間部門と協調的な方法で取り組むこと。
(b) 低排出又はゼロ排出の物品及びサービスの展開を促進するための政策上の措置を拡大すること
(デジタル化及び持続可能で気候変動に配慮した消費者の選択のための奨励措置を増大させることを通じたものを含む)。
(c) 自国のそれぞれのネットゼロ排出の目標に沿って、中央政府の部門からのネットゼロ排出の達成に向けた道筋を加速すること。当該道筋には、次のことを含めることができる。
(i) 低排出又はゼロ排出の製品についての中央政府の政府調達における透明性を促進すること。
(ii) 中央政府によるゼロ排出の運送手段(乗用車を含める。)の取得及び政府の部門からのネットゼロ排出を奨励すること。
(iii) 中央政府のインフラストラクチャー事業における内包された排出が低い及びゼロの資材の利用を奨励すること。
3 締約国は、民間部門が、炭素の排出が低い又はゼロであると検証された電力によってサプライチェーンが支えられることを確保することを一層選好していることを認識する。このため、締約国は、脱炭素化に向けた取組を円滑にするため、適当な場合には情報及び最良の慣行を共有し、並びに民間部門と協力する意図を有する。
4 締約国は、クリーン経済の実現を可能とするため、温室効果ガスの排出者に対して経済上の明確なシグナルを出す上で、財政上の奨励措置、官民間の連携及び適当な場合にはカーボン・プライシングの仕組みが果たす役割を認識する。関心を有する締約国は、カーボン・プライシングの発展を促進し(カーボン・プライシング並びにこれに関する政策及び慣行に関する情報及び経験を共有することを含む)、並びに透明性及び市場の歪曲の除去を促進するために協力する意図を有する。
第十六条 炭素市場
締約国は、地域における炭素市場に係る活動を促進し、及び円滑にするために協力する意図を有する。その協力については、炭素市場についての他の連携及び能力開発に係る取組との関係で行うことができ、また、当該協力には、次の事項を含めることができる。
(a) 炭素市場の開発及び実施における互換性、信頼性及び安定性を促進するための情報及び最良の慣行(取引及び資金供与に係る措置、関連する規制並びにパリ協定第六条の規定に基づく協力的な取組に関する情報及び最良の慣行を含む)の共有
(b) 炭素市場への参加のための能力開発。当該能力開発には、次のことのための能力開発を含む。
(i) 緩和に関する計画を支援するために炭素市場への参加を計画すること。
(ii) パリ協定第六条の規定に基づく協力的な取組及び活動に従事すること並びに当該取組及び活動を追跡し、及び報告すること。
(iii) 登録簿(国内登録簿を含む)を作成すること、追跡システムを開発すること並びに関連する場合における当該登録簿及び当該追跡システムの相互運用性を発展させること。
(iv) 地域における炭素市場の拡大するニーズに効果的に対応するため、地方及び地域の認証機関及び検証機関の利用可能性を高めること。
環境上の及び社会的な保全及び透明性に関する原則及び保障措置を伴う炭素クレジットの認証基準(その方法論、手続等)の利用可能性、適用及び調和(緩和に関する活動及びその結果が、現実的であり、測定可能であり、独立して検証可能であり、付加的であり、恒久的であり(いかなる逆行的事案も回避し、又はこれに十分に対処することを含む)、二重の計上を回避し、及び持続可能な開発に寄与することを確保することを含む)を促進すること。これには、適当な場合には、緩和に関する活動の形成についての協調(パリ協定第六条の規定に基づくものを含む)を含めることができる。
(d) 国際的な炭素市場において信頼性のある需要及び供給を生み出すため、緩和に関する質の高い活動(例えば、パリ協定第六条の規定に基づいて実施するもの)に投資し、当該活動を実施し、又は他の方法で当該活動を支援するよう、公的機関及び民間団体を奨励すること(連携及び取組を通じて奨励することを含む)。
(e) 炭素市場に係る活動に関する公的部門及び民間部門の連携であって、国が決定する貢献並びに地域における緩和及び適応に関する向上した野心の実施及び達成を可能とするものを促進すること。
第十七条 投資及びサステナブル・ファイナンスの動員並びに気候変動に関連する金融リスクへの対処
1 締約国は、クリーン経済への移行、気候変動への適応及び地域全体における強靭性の構築には、政府、国内の及び国際的な金融機関、世界の投資家並びに慈善団体からの公的な及び民間の投資を相当な規模で拡大することが必要となることを認識する。締約国は、この点に関し、特に民間資本を動員するに当たり、譲許的な資金供与を行い、及び革新的な資金供与の仕組みを利用することの重要性を認識する。
2 締約国は、必要とされる規模で資金を動員するための規制上及び政策上の健全な環境の重要性を認識し、並びに経済全体の移行を可能とするトランジション・ファイナンスの役割を認識する。締約国は、競争を推進すること、資金へのアクセス及び投資への開放性を強化すること、取組方法の相互運用性を促進すること、透明性を高めること、投資家の信頼を強化すること並びにクリーンエネルギーへの移行を加速することが重要な政策目的であることを認識する。各締約国は、これらの目的を促進するため、投資政策及び規制上の枠組みを構築し、強化し、又は維持するよう努めるべきである。
3 締約国は、低排出及びゼロ排出に係る事業及び活動に対する資金(譲許的な資金を含む)を動員し、並びに当該資金へのアクセスを拡大する(既存の資産を移行することを含む)ため、国際的なパートナー(国際開発金融機関を含む)と協力する意図を有する。その協力には、次のことを含めることができる。
(a) この3の規定による協力を可能とする国内政策を支援すること。
(b) 安全、多様及び強靭なクリーンエネルギーのサプライチェーンを促進すること。
(c) プラットフォームを構築し、及び実験的な取組を発展させること。
(d) 収益性のある事業のパイプラインを構築すること。
(e) プレージェッド・ファイナンスの構造(譲許的な資本、保証及びリスクに対処する保険の展開並びに技術援助であって、開発途上国及び気候変動の影響を受けやすい国による既存の資金へのアクセスの拡大を助長するものを通じたものを含む)を追求し、及びその資源の効果を高めること。
(f) 官民間の連携を構築すること。
4 締約国は、初期の段階のクリーン技術を開発し、実証し、及び展開するため、あらゆる形態の投資及び資金(譲許的な資金を含む)の動員について協調する(商取引の引き合わせを円滑にするための年次の投資家のための場を通じた個人投資家及び機関投資家の招集を通じたものを含む)意図を有する。締約国は、更に、地域全体においてクリーンな技術及びインフラストラクチャーへの投資の規模を拡大すること(資産配分における社会上及び環境上の配慮の統合並びに共同投資の手段及び機会の探求を通じたものを含む)に関する知見及び良い慣行を共有することに寄与して協調する意図を有する。締約国は、資金供与において、公正な移行に係る措置、確固とした労働の保護及び環境・社会・ガバナンスの保護であって、労働者の権利に適合するものの重要性を認識する。
5 締約国は、特に気候変動が世界全体に及ぼす影響並びに締約国の経済及び市場が相互に関連していることに鑑み、気候変動に関連する金融リスクを測定し、及び管理することが、気候変動の影響から市民及び経済を守ることに資することを認識する。締約国は、更に、データの質を改善し、及びデータの利可能性を向上させるため、適当な場合には、会社が気候変動に関連する金融リスクを測定し、開示し、及び管理する取組方法に関する経験及び最良の慣行の共有を通じて協力する意図を有する。各締約国は、関連する国際的な場に参加することに加え、気候変動に関連する金融リスクを測定し、及びこれに対処する取組を有し、並びに気候変動に関連して関連する高い金融リスクに直面している不利な立場にあり、かつ、ぜい弱な社会を支援するための政策を策定する意図を有する。
第十八条 技術協力及び能力開発
締約国は、クリーン経済への包摂的及び持続可能な移行を支援することを目的として、協力及び能力開発(知識、知見及び最良の慣行の共有を通じたものを含む。)を円滑にするために協働する意図を有する。その協働には、適当な場合には、次の事項を含めることができる。
(a) 地域における雇用の機会を推進するための労働力の開発(基礎、高等及び職業技術上の教育及び訓練、能力開発並びに交流計画における協力を通じたものを含む。)、
(b) 低費用での気候変動に係る技術の開発及び実証のための連携(産業界、学界又は研究機関との連携を含む。)、
(c) 地域内のクリーン経済への移行によるエネルギー上の、環境上の、部門横断的な及び経済全般の費用及び影響を分析するためのモデル及び手段の策定
(d) インフラストラクチャーの近代化、実験的な事業及び実証事業並びに炭素市場に関する事業の支援
(e) 地域において、投資が可能な事業に関する潜在的なパイプラインを構築し、並びに気候変動に関する事業に係る多数国間及び二国間の資金へのアクセスを拡大するための事業の開発(能力開発及び技術援助を含む。)における協調
(f) 締約国が、温室効果ガスの排出を削減し、及び気候変動の影響に適応するための規制及び政策を策定し、実施し、及び執行することに対する支援
(g) 知識及び最良の慣行の共有並びに地域内の協調を円滑にする技術的な交流、会議、研究集会及びシンポジウム
第G節 公正な移行
第十九条 公正な移行に関する政策の促進
1 締約国は、自国が定める開発の優先事項並びに全ての人々のための適切な仕事、社会的な包摂及び貧困撲滅との目標に寄与する公正な移行を促進するためのILO指針及び関連する多数国間の取組の重要性を認識する。
2 締約国は、政策(経済全般の政策、部門別の政策及び環境政策を含む。)の立案に公正な移行を組み入れることに関する知識及び最良の慣行の共有について協力する意図を有する。その協力には、政府、国際機関、代表的な使用者の団体及び労働者の団体並びに共同体の間の協調のための取組を通じたものを含む。
3 締約国は、労働力の開発(移行により影響を受ける労働者のための適当な技能の向上及び再開発の機会を含む。)のための戦略を定め、及び実施すること、クリーン経済を支える適切な仕事及び質の高い雇用を促進すること並びに新しい持続可能な商慣習、環境に配慮した技術及びイノベーション並びに起業活動における初期学習を行うことの重要性を強調する。
4 締約国は、クリーン経済への移行により影響を受ける使用者、労働者及び共同体のために社会的な保護に関する政策、積極的な労働市場に関する政策等の支援措置を検討する必要性を認識する。
5 締約国は、この協定に規定する公正な移行に係る目標(「社会的対話及び適切な仕事を含む。」)を推進するに当たって国際的な組織(国際開発金融機関を含む。)を関与させることの重要性を認識し、及び当該国際的な組織に対して労働力の公正な移行に関する支援を加速するよう奨励する意図を有する。
第二十条 適切な仕事の促進
1 締約国は、クリーン経済への移行が適切な仕事を促進する機会であることを認識する。締約国は、この関係において、この協定において対処する部門及び分野に特に注意を払いつつ、雇用の創出、社会的な保護、社会的対話及び労働者の権利を促進する行動をとる意図を有する。
2 締約国は、クリーン経済への移行に関連する政策による雇用への影響を考慮することの重要性を認識する。締約国は、適切な仕事及び質の高い雇用(低技能労働者並びに移行及び気候変動の影響を受ける共同体を考慮した方法論(影響評価を含めることができる。)に関する最良の慣行についての情報を共有し、又は受領することによって協調する意図を有する。
3 各締約国は、団結権及び団体交渉権の実効的な承認が、クリーン経済において適切な仕事の達成を可能とするために特に重要であることに留意しつつ、この協定の対象となる部門及び活動における労働者の権利を促進する意図を有する。
4 締約国は、この協定の対象となるサプライチェーン及び部門から強制労働を根絶するため、危険度の高い部門に注意を払いつつ、協力する意図を有する。その協力には、適当な場合には、デュー・ディリジェンス及びサプライチェーンの地図の作成、サプライチェーンの管理、調達手続、原材料から完成品までのトレーサビリティー、違反の適時の是正並びに責任ある労働の慣行を検証することができるサプライチェーンの創出又は拡大の奨励に関する最良の慣行の共有を含めることができる。
第二十一条 公正な移行のための社会的対話
1 締約国は、適切な仕事及び質の高い雇用、社会的な保護並びに労働者の権利を伴うクリーン経済への公正な移行の過程において、国から企業までの全ての段階における社会的対話が重要であることを認識する。各締約国は、適当な場合には、この協定の実施に関して代表的な労働者の団体及び使用者の団体と協議する意図を有する。
2 各締約国は、クリーン経済への移行に関与する者又はクリーン経済への移行による影響を受ける者の参加に適当な注意を払い、及びILO指針を考慮しつつ、代表的な労働者の団体及び使用者の団体との間で社会的対話を行う意図を有する。各締約国は、公正な移行の計画及び政策(クリーン経済における労働者の権利、気候変動の影響並びに経済上の及び部門別の転換に関するものを含め)ことができる。)を討議するために社会的対話の利用を促進する意図を有する。
3 締約国は、対話を通じて特定された最良の慣行を共有し、並びに国際的な協調及び情報の共有(例えば、締約国のそれぞれの社会的対話の参加者間における意見交換を促進することによるもの。)を促進する意図を有する。
4 各締約国は、公正な移行に関連する自国の社会的対話に関する公開情報を定期的に提供する意図を有する。
第H節 利害関係者の関与及び制度上の仕組み
第二十二条 社会の関与
各締約国は、政策を策定し、及びこの協定の目的を達成しようとするに当たり、公的部門に属さない個人及び集団(非政府機関、代表的な労働者の団体、学術機関、研究機関、企業(事業者団体及び業界団体を含む。)、中小企業、女性、先住民、障害者、地方及び遠隔地の住民、マイノリティ、地域社会等)を関与させる意図を有する。
第二十三条 協力作業計画
1 締約国の集団は、この協定の目的を推進するための協力作業計画を策定することができる。
2 1に規定する協力作業計画については、次のとおりとする。
(a) この協定に適合する、かつ、この協定の範囲内の行動、事業又は活動(労働者の権利及び環境の保護に関するものを含む。)であって、締約国の集団が協力する意図を有するもので構成すること。
(b) 適当な場合には、クリーン経済への移行を加速することを目的として、締約国の意見及び積極的な参加を促進するために立案されるべきであること。
(c) 締約国又は第三十三条4に定める期間中は第三十二条1に規定する国及び適当な場合には非政府団体その他の利害関係者による参加のために開放すること。
(d) 適当な場合には、明確で観察可能な成果を含むべきであること。
(e) 協力作業計画への参加者が第十七条の規定に従って提供し、又は動員する資源によって支援されるべきであること。
3 協力作業計画を提案する締約国の集団は、IPEFクリーン経済委員会に対し、第三十二条1に規定する国がこの協定の署名に関連して完成させた標準のひな形を用いて、当該協力作業計画についての説明を含む通知を書面により行う。ただし、当該標準のひな形は、次条5(g)の規定による修正に従うものとする。
4 締約国は、3の規定による通知の受領から三十日以内に、協力作業計画を提案した締約国の集団に対し、提案された当該協力作業計画に関して書面による質問又は意見を提出することができる。当該締約国の集団は、当該書面による質問又は意見の受領から十四日以内に、書面による回答を行う。当該締約国の集団は、この意見交換を考慮に入れ、適当と認められる修正を行い、並びにIPEFクリーン経済委員会に対し、当該協力作業計画について行った修正を示し、及び他の締約国に対して当該協力作業計画に参加するよう招請する通知を書面により行う。
5 協力作業計画が2に定める基準を満たさないと認める締約国は、4の規定による通知を受領した後十四日以内に、IPEFクリーン経済委員会に対し、書面による異議を提出することができる。いずれの締約国も当該異議を提出しない場合には、通知された協力作業計画については、この協定の適用上、協力作業計画として認めるものとし、当該協力作業計画に基づく作業については、開始することができる。
6 5の規定に従って協力作業計画に異議を提出する締約国がある場合には、当該協力作業計画を提案する締約国の集団及び当該異議を提出した締約国は、当該異議を解決することを目的として協議する。当該異議を提出した締約国が異議を撤回する場合には、その協議に応じて修正された協力作業計画については、この協定の適用上、協力作業計画として認めるものとし、当該協力作業計画に基づく作業については、開始することができる。
7 協力作業計画については、当該協力作業計画に参加する締約国によって修正することができる。ただし、その修正がこの条に定める基準に適合すること及び当該協力作業計画の範囲に関するあらゆる重要な修正が2から6までに定める手続に従うことを条件とする。
8 協力作業計画に参加する締約国は、当該協力作業計画への参加を終了する旨を通知した時に、当該協力作業計画へ経済委員会に対して当該協力作業計画への参加を終了する旨を通知した時に、当該協力作業計画への参加を終了することができる。
9 協力作業計画に参加する締約国は、IPEFクリーン経済委員会に対し、当該協力作業計画の進捗状況、当該協力作業計画への参加の変更及び当該協力作業計画を終了する旨の決定について、定期的に書面による報告を行う。
10 IPEF域内水素イニシアティブは、この協定の適用上、最初の協力作業計画である。
11 第三十二条1に規定する国の集団がこの協定の効力発生の日前に策定した計画については、当該計画に参加する国がこの条に定める手段と実質的に同等の手段をとった場合には、この協定の適用上、協力作業計画として認めるものとする。
第二十四条 IPEFクリーン経済委員会
1 締約国は、各締約国の中央政府の関連する上級職員一名から成るIPEFクリーン経済委員会を設置する(注)。
注 この1の規定にかかわらず、ニュージーランドについては、IPEFクリーン経済委員会において、自国の中央政府の関連する上級職員又は自国の中央政府の職員ではないマオリ族の代表者が代表することができる。
2 各締約国は、この協定が自国について効力を生じた日の後三十日以内に、他の締約国に対し、自国が指名したIPEFクリーン経済委員会への代表者を通報するものとし、その後は、委員会に対し、自国が指名した代表者に関する変更について実行可能な限り速やかに通報する。
3 IPEFクリーン経済委員会は、この協定の効力発生の日の後六十日以内に、その構成員の三分の二以上による承認の後、二年の任期で在任する議長を選出する。議長は、委員会の会合を招集し、及び委員会の活動を調整する。
4 IPEFクリーン経済委員会は、この協定の効力発生の日の後百二十日以内に、その構成員のコンセンサス方式による承認の後、付託事項(委員会の会合及び5の規定による意思決定のための手続並びに次条に規定する情報の提出のための手続及び指針を含む。)を定める。
5 IPEFクリーン経済委員会は、毎年対面若しくはバーチャル方式により、又は委員会の別段の決定に従って会合するものとし、次のことを行うことができる。
(a) この協定の実施又は運用に関する事項を検討すること。
(b) 次条の規定に従って締約国が提出する情報を検討すること。
(c) この協定の実施を推進するために必要であると決定する場合には、作業部会、小委員会又は類似の機関を設置し、統合し、又は解散すること。
(d) この協定の目的に関連する締約国間の協力活動を円滑にするための方法を討議すること。
(e) 適当な場合には、(d)に規定する協力活動のための協力作業計画の策定を支援し、並びに当該協力活動(協力作業計画を含む)の実施及び成果を監視すること。
(f) 前条の規定に従って策定される協力作業計画についての一覧表(参加する締約国、実施状況及び成果に関する情報を含む)を保持し、及び締約国の利用に供すること。
(g) 前条3に規定する標準のひな形を修正すること。
(h) 自己の付託事項を修正すること(注)。
注 委員会は、その構成員によるコンセンサス方式によってのみ自己の付託事項を修正することができる。
(i) この協定の実施又は運用に関する他の任務を遂行すること。
第二十五条 情報の共有
1 各締約国は、IPEFクリーン経済委員会に対し、次の事項についての説明を含むこの協定の実施に関する最新の情報を選択的に提供すべきである。
(a) この協定の実施を支援するために自国が採用し、若しくは修正した政策及び措置又は自国が採用することを計画している政策及び措置
(b) (a)に規定する政策及び措置がどのようにこの協定の目的の達成に寄与し、又は寄与すると期待されるか。
2 各締約国は、IPEFクリーン経済委員会の第一回年次会合の六十日前までに、委員会に対して自国の第一回の最新の情報を提出すべきである。各締約国は、その後は、少なくとも二年ごとに又は委員会の付託事項に定めるところにより最新の情報を提出すべきである。
第一節 最終規定
第二十六条 他の協定との関係
各締約国は、関連する現行の国際協定に基づく自国の義務及び約束を確認する。
第二十七条 秘密の取扱い(注)
注 秘密であると指定される情報に関する手続であって締約国の法令に規定されるものに基づく開示(国内の裁判所への開示を含む)は、当該情報を不法な開示から保護するための適当な手続に従うことを条件として、この条の規定に基づく各締約国の義務に抵触することとはならない。情報を受領する締約国は、秘密であると指定される情報が開示されることとなる場合には、その開示の前に、当該情報を提供する締約国に通報する。
1 この協定に別段の明示の定めがある場合を除くほか、一の締約国がこの協定に関連する情報を他の締約国に提供する場合(IPEFクリーン経済委員会、補助機関又は協力作業計画を通じて提供する場合を含む。)において、当該情報を秘密であると指定するとき(当該情報が業務上の秘密の情報であることを理由とするときを含む。)は、当該情報を受領する締約国は、当該情報の秘密性を保持する。当該情報を提供する締約国は、当該情報が公に周知されているものであると判断する場合には、当該情報を秘密であると指定してはならない。
2 この協定に別段の定めがある場合又は締約国が別段の決定をする場合を除くほか、一の締約国がこの協定に関連する情報を他の締約国に提供する場合(IPEFクリーン経済委員会、補助機関又は協力作業計画を通じて提供する場合を含む。)において、当該情報を秘密であると指定しないときであっても、当該情報を提供する締約国は、当該情報の開示又は利用が当該締約国の法令によって要求される場合を除くほか、当該情報の秘密性を保持する。
3 この協定に別段の明示の定めがある場合又は締約国が別段の決定をする場合を除くほか、IPEFクリーン経済委員会は、補助機関又は協力作業計画によって作成された報告書その他の文書は、秘密であると指定されるものとし、締約国によって公開されてはならない。
第二十八条 情報の開示
この協定のいかなる規定も、締約国に対し、その開示が自国の法令に反し、法令の執行を妨げ、業務上の秘密の情報を明らかにし、若しくは自国の公共の利益に反することとなる情報を開示し、若しくは提供し、又はそのような情報へのアクセスを認めることを要求するものと解してはならない。
第二十九条 実施
この協定は、各条約国が自国の利用可能な資源の範囲内で実施するものとする。
第三十条 協議
1 一の締約国が他の締約国によるこの協定の実施に懸念を有する場合にはいつでも、当該懸念を有する締約国(以下「懸念を有する締約国」という。)は、当該他の締約国の連絡部局に書面により通報することにより、協議を要請することができる。懸念を有する締約国は、その要請の理由を示し、また、当該他の締約国は、書面により速やかに回答する。
2 懸念を有する締約国は、その他の締約国の連絡部局に対して1に規定する要請の写しを直ちに提供する。
3 懸念を有する締約国の要請及び当該要請を受けた締約国の回答によって当該要請の対象となっている懸念が解決されない場合には、当該回答の受領の日の後六十日以内の相互に決定する日に協議を開始するものとする。
4 協議を行う締約国は、実行可能な限り速やかに相互に満足すべき解決に達するよう努める。
第三十一条 連絡部局
1 締約国は、この協定が自国について効力を生ずる日までに、又はその後可能な限り速やかに、この協定に関連する公式の連絡のための一役又は二以上の連絡部局を指定し、並びに寄託者に対して、当該連絡部局及び当該連絡部局への伝達手段により通報する。各締約国は、寄託者に対し、自国の一若しくは二以上の連絡部局又は伝達手段に関する変更について実行可能な限り速やかに書面により通報する。
2 1の規定に従って指定された連絡部局への連絡は、寄託者又は関連する場合にはIPEFクリーン経済委員会に通報された手段を通じて当該連絡部局に伝達された時に有効とみなされる。
第三十二条 効力発生
1 この協定は、オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム国、フィジー共和国、インド共和国、インドネシア共和国、日本国、大韓民国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン共和国、シンガポール共和国、タイ王国 アメリカ合衆国及びベトナム社会主義共和国による署名のために開放しておく。
2 この協定は、批准され、受諾され、又は承認されなければならない。批准書、受諾書又は承認書は、寄託者に寄託する。
3 この協定は、1に規定する国のうち少なくとも五の国が寄託者に対して批准書、受諾書又は承認書を寄託した日の後三十日で効力を生ずる。この協定は、1に規定する国であって五番目の寄託の日の後に寄託者に対してその批准書、受諾書又は承認書を寄託した日の後三十日で効力を生ずる。
第三十三条 代表の指名
1 批准書、受諾書又は承認書を寄託していない署名国は、この協定の効力発生の日の後三十日以内に、寄託者に対して書面により通報することにより、IPEFクリーン経済委員会への代表となる中央政府の関連する上級職員一名を指名することができる。ただし、当該代表が第二十七条の規定による要件に沿って秘密の取扱いに係る適当な要件に従うことを条件とする。
2 1の規定に従って指名された各代表は、この協定に基づいて関連する行動をとるため、IPEFクリーン経済委員会の構成員として取り扱われる。
3 1の規定に従って代表を指名した署名国は、補助機関への自国の代表として適当な職員を選定することができる。ただし、当該職員が第二十七条の規定による要件に沿って秘密の取扱いに係る適当な要件に従うことを条件とする。当該代表は、この協定に基づいて関連する行動をとるため、当該補助機関への代表者として取り扱われる。
4 1及び3の規定に従って指名され、又は選定された署名国の代表は、この協定が当該署名国について効力を生じた日又はこの協定の効力発生の日の後一年を経過した日のいずれか早い方の日まで、自己がその代表としてこの条の規定に従って指名され、又は選定されたIPEFクリーン経済委員会又は補助機関に参加することができる。
第三十四条 脱退
1 締約国は、寄託者に対して書面による脱退の通告を行うことにより、この協定から脱退することができる。脱退は、締約国が異なる期間について決定する場合を除くほか、寄託者が脱退の通告を受領した日の後六箇月で効力を生ずる。
2 1の規定にかかわらず、第二十七条の規定は、この協定から脱退した国又は独立の関税地域について、同条の規定の対象となる情報、報告書その他の文書であって、当該国又は独立の関税地域がその脱退の効力発生の後も保持するものについて引き続き効力を有する。
第三十五条 改正
1 締約国は、この協定の改正につき書面により合意することができる。改正は、全ての締約国が寄託者に対してその批准書、受諾書若しくは承認書を寄託した日の後三十日で、又は締約国が決定する他の日に効力を生ずる。
2 1の規定にかかわらず、締約国は、この協定の効力発生の日の後一年を経過した日又はこの協定が第三十二条1に規定する全ての国について効力を生じた日のいずれか早い方の日までこの協定を改正してはならない。
第三十六条 加入
1 国又は独立の関税地域は、全ての締約国の合意及び全ての締約国と当該国又は独立の関税地域との間で決定する条件に従ってこの協定に加入することができる。この協定は、加入する締約国が寄託者に対してその加入書を寄託した日の後三十日で当該加入する締約国について効力を生ずる。
2 1の規定にかかわらず、いかなる国又は独立の関税地域も、この協定の効力発生の日の後一年を経過した日又はこの協定が第三十二条1に規定する全ての国について効力を生じた日のいずれか早い方の日までこの協定に加入することができない。
第三十七条 寄託者
1 この協定の原本及びその改正については、この協定の寄託者として指定されるアメリカ合衆国に寄託する。
2 寄託者は、全ての署名国及び締約国に対し、この協定の原本の認証謄本及びこの協定の改正の認証謄本を速やかに提供する。
3 寄託者は、全ての署名国及び締約国に対し、第三十一条から前条までの規定に従って行われた通報若しくは通告又は寄託された批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の日付及び写しを速やかに提供する。
第三十八条 一般的な見直し
1 締約国は、別段の決定を行わない限り、この協定の目的を達成するに当たり、この協定を最新のものと、及びこの協定を強化するため、五年ごとに、この協定の効力発生の日が属する月に一般的な見直しを開始する。締約国は、六箇月以内に当該見直しを完了すべきである。
2 1に規定する見直しを完了した後、締約国がこの協定の改正につき決定する場合には、当該改正は、第三十五条の規定に従って行われる。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
二千二十四年六月六日にシンガポールで、英語により作成した。
p.4 / 8
読み込み中...
テキスト領域
選択中
非公開 (PII)
関連する新着公告を見逃さないために
会社名・機関名・キーワードを監視条件として保存し、新着掲載を継続確認できます。監視・通知の契約は天羅AIが提供します。
天羅AIで監視する↗(別サービス・新しいタブで開きます)