告示令和6年10月10日

外務省告示第三百八号(クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定の効力発生)

号外p.1 - p.4

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公告概要

クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定の効力発生

発行機関外務省
省庁外務省
件名クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定の効力発生

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外務省告示第三百八号(クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定の効力発生)

令和6年10月10日|p.1-4

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告示
○外務省告示第三百八号 日本国政府は、令和六年六月六日にシンガポールで採択された「クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定」の受諾書を同日にアメリカ合衆国に寄託していたところ、同協定は、その第三十二条3の規定に従い、令和六年十月十一日に効力を生ずる。
なお、同協定の締約国は、令和六年九月二十四日現在次のとおりである。 フィジー共和国、日本国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール共和国、アメリカ合衆国
令和六年十月十日
外務大臣岩屋毅
(訳文)
クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定
この協定の締約国は、 千九百九十二年五月九日にニューヨークで作成された気候変動に関する国際連合枠組条約及び二千十五年十二月十二日にパリで作成されたパリ協定を想起し、 それぞれの気候目標に沿った形で、エネルギー安全保障及び食料安全保障を強化し、並びに持続可能な土地、水及び海洋に関する解決策、持続可能な生活、自国の住民のための質の高い雇用及び適切な仕事、持続的、包摂的及び持続可能な経済成長並びに完全で生産性のある雇用を促進する一方で、気候変動の影響を緩和し、及びこれに適応するために加速された、かつ、有意義な取組が必要であること、
締約国が、各締約国に特有の国内の事情(開発上のニーズを含む)を考慮しつつ、ネットゼロ排出の経済及び持続可能な開発への共通の目的及びそれぞれの道筋を積極的に追求していること、 クリーン経済への移行が、市場、投資、工業化並びに質の高い雇用及び適切な仕事についての重要な機会を提供すること、
地域における経済のエネルギー及びインフラストラクチャーに係る膨大なニーズに対処すること が、クリーン経済への移行において不可欠であること、
より持続可能で強靭な農業システムへの転換が、水の安全保障、食料安全保障及び栄養を推進し、低排出で気候変動に対して強靭な生産を達成し、並びに農業者及び農村の共同体がクリーン経済において繁栄することができるよう確保することを可能とすること、
民間部門及び公的部門の団体(中小企業、代表的な使用者の団体及び労働者の団体並びに学術機関及び研究機関を含む)、女性、先住民、障害者、地方及び遠隔地の住民、ぜい弱な立場にある集団、不利な立場にある集団、マイノリティの集団並びに地域社会の積極的な参加(開かれた、透明性がある及び包摂的な方法によるもの)が、クリーン経済を形成し、及び締約国の共通の目標を実現するために不可欠であること並びに
資金供与(譲許的なものを含む)のための資源並びに技術及び能力開発のための資源を動員するために協働することが、クリーン経済に成功裏に移行するために不可欠であることを認識し、 ニーズを有する者に対してエネルギーに関する不可欠なサービスを提供することの重要性を認識しつつ、無駄な消費を助長する非効率的な化石燃料に対する補助金を合理化し、及び段階的に廃止すること並びにこの目標を達成するために加速された態様で取組を継続することを約束すること、
この協定に基づく締約国による取組が、関連する国際的な場における取組を補完すべきものであること並びに千九百九十四年四月十五日にマラケシュで作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定及び環境に関する多数国間協定に基づくそれぞれの実施に適合すべきものであること並びに 二千十七年九月十三日にニューヨークで採択された先住民族の権利に関する国際連合宣言及びこの協定との関係において当該宣言の重要性を認識することを想起し、
第A節冒頭の規定
第一条適用範囲
締約国は、摂氏二度の気温上昇と比較して摂氏一・五度の気温上昇においては気候変動の影響がより一層小さいというIPCCの評価に留意し、及び気温上昇を摂氏一・五度に抑えるための更なる取組を追求する決意を繰り返し表明して、気候変動に対する強靱性を高めながら、自国の事情を考慮しつつ、それぞれのネットゼロへの道筋と連携し、かつ、その更なる取組に沿った形で、自国のクリーン経済への移行を推進するための取組及び協力を強化する意図を有する。各締約国は、自国の取組が社会経済的な機会及び積極的な協調を最大にしつつ、公正で包摂的な方法で実施されるべきであることを強調する。締約国は、具体的な利益を動員するために行動をとる意図を有する。この協定に基づく協力には、協力作業計画を含む。締約国は、次の事項に取り組むため、この協定に基づく共同及び個別の行動をとる意図を有する。 (a) エネルギー安全保障及びエネルギーの移行 (b) 工業部門及び運送部門における温室効果ガスの低排出に係る技術及び解決策の推進 (c) 持続可能な土地、水及び海洋に関する解決策 (d) 温室効果ガスの回収及び除去のための革新的な技術 (e) クリーン経済への移行を可能とする奨励措置 (f) 公正な移行 (g) 利害関係者の関与及び制度上の仕組み
第二条定義
この協定の適用上、 「この協定」とは、クリーン経済に関する繁栄のためのインド太平洋経済枠組み協定をいう。 「炭素の回収、利用及び貯留(CCUS)」とは、炭素の回収、利用及び隔離ともいい、二酸化炭素を回収し、及び再利用すること又は永続的な方法で貯留することのいずれかのことを行う工程であって、世界全体の温室効果ガスの排出のネット削減となるものを含む。
「中央政府」とは、次の政府をいう。 (a) オーストラリアについては、連邦政府 (b) ブルネイ・ダルサラーム国については、国の政府 (c) フィジー共和国については、国の政府 (d) インド共和国については、中央政府 (e) インドネシア共和国については、中央政府 (f) 日本国については、日本国政府 (g) 大韓民国については、中央政府 (h) マレーシアについては、連邦政府 (i) ニュージーランドについては、国の政府 (j) フィリピン共和国については、国の政府 (k) シンガポール共和国については、国の政府 (l) タイ王国については、国の政府 (m) アメリカ合衆国については、連邦政府 (n) ベトナム社会主義共和国については、国の政府 「シカゴ条約」とは、千九百四十四年十二月七日にシカゴで作成された国際民間航空条約をいう。 「グリーンエネルギー」とは、温室効果ガスが低排出若しくはゼロ排出となるエネルギー(温室効果ガスの排出を著しく削減する低排出又はゼロ排出の技術によるものを含む。)を生産するエネルギー源又はエネルギー効率性若しくは省エネルギーを通じてエネルギーを節約する解決策であってネットゼロ排出の達成及び締約国の共通の気候目標に沿ったものをいう。 「協力作業計画」とは、第二十三条の規定の対象となる協力作業計画をいう。 「日」とは、暦日をいう。 「経済クラスター」とは、経済特別区、地方の中核地、工業団地、環境配慮型の工業団地、工業用コンビナートその他これらに類する集合体をいう。 「企業」とは、営利目的であるかどうかを問わず、また、民間又は政府のいずれが所有し、又は支配しているかを問わず、関係法令に従って設立され、又は組織される事業体(社団、信託、組合、個人企業、合弁企業、団体その他これらに類する組織を含む。)をいう。 「グリーン海運回廊」とは、二千五十年までに又は同年頃(すなわち、同年に近い時点)に、海運のバリューチェーンのエネルギーシステムの範囲内で、当該バリューチェーンの全ての側面において温室効果ガスのネットゼロ排出を達成するという野心をもって、ライフサイクル(注:においてゼロに近い排出又はゼロ排出となる燃料、技術又はエネルギー源を利用し、及び脱炭素化した港湾の開発を促進する国際的な海上航路をいう。 注 締約国は、IMOが採用する方法論に従って船舶用燃料のライフサイクルにおける温室効果ガスの集約度を測定する意図を有する。 「ILO」とは、国際労働機関をいう。 「ILO宣言」とは、二千二十二年に修正されたILOの千九百九十八年の労働における基本的な原則及び権利に関する宣言及びその実施についての措置をいう。 「ILO指針」とは、ILOの二千十五年の全ての人々のための環境上持続可能な経済及び社会に向けた公正な移行のための指針をいう。 「IMO」とは、国際海事機関をいう。 この協定の規定において「関心を有する締約国」とは、当該規定に定める協力その他の活動に従事する意図を有する締約国をいう。 「IPCC」とは、気候変動に関する政府間パネルをいう。 「IPEFクリーン経済委員会」又は「委員会」とは、第二十四条1の規定に基づいて設置されるIPEFクリーン経済委員会をいう。
「労働者の権利」とは、次のものをいう。 (a) ILO宣言に述べられている次の権利(注) 注 これらの権利は、ILO宣言に従って解釈するものとする。 (i) 結社の自由及び団体交渉権の実効的な承認 (ii) あらゆる形態の強制労働の撤廃 (iii) 児童労働の実効的な廃止及びこの協定の適用上、最悪の形態の児童労働の禁止 (iv) 雇用及び職業に関する差別の撤廃 (v) 安全かつ健康的な作業環境 (b) 最低賃金及び労働時間に関する受入れ可能な労働条件(注) 注(a) 「最低賃金に関する受入れ可能な労働条件」には、締約国の国内規制に従い、労働者に対し、又は労働者のために、賃金に関連する給付(利益の分配、賞与、退職金、保健のための給付等)を提供するための要件を含む。 (b) この(b)の規定は、締約国の法令及び当該法令の下での慣行において当該締約国が決定する受入れ可能な労働条件を設定することに関連するものである。 「中小企業」とは、零細企業及び中小企業をいう。 「パリ協定」とは、二千十五年十二月十二日にパリで作成されたパリ協定をいう。 「締約国」とは、この協定が効力を有する国又は独立の関税地域をいう。 「持続可能な航空燃料(SAF)」とは、シカゴ条約の第十六附属書(第四巻)(同附属書の将来の改正を含む)に規定する持続可能性の基準を満たす再生可能な又は廃棄物由来の航空燃料をいう。 第三条 クリーン経済への包摂的な移行 1 締約国は、各締約国の社会的及び文化的な状況並びに地理が多様であることを認識する。締約国は、各締約国の国内の枠組みにおいて理解されるところにより、先住民及び地域社会がクリーン経済への移行において重要な役割を有することを認識する。 2 各締約国は、この協定の実施に当たり、国内の法令及び政策に従い、自国の先住民及び地域社会と連携する意図を有する。その連携には、クリーン経済への移行に向けた取組(森林の持続可能な経営及びガバナンス、生態系、海洋及び水路の持続可能な管理及びガバナンス並びに持続可能な農業の実施への移行を含む)を強化するため、自国の先住民及び地域社会の参加を可能とすること並びに適当な場合には自国の先住民及び地域社会の伝統的な知識及び慣行を活用することを通じたものを含む。 3 締約国は、この協定の対象となる事項に関し、次のことを行うことができる(注)。 注 この3の規定は、各締約国の国内法制に従って理解される。この3の規定は、この協定の適用除外又は例外として適用されるものではない。 (a) 自国の法令又は条約に基づく自国の先住民に対する自国の義務を履行するに当たり、自国の先住民の権利、利益、義務及び責任を促進し、及び保護すること。 (b) 自国の法令に基づく自国の義務を履行するに当たり、自国の地域社会の権利、利益、義務及び責任を促進し、及び保護すること。 第B節 エネルギー安全保障及びエネルギーの移行 第四条 クリーンエネルギーに係る技術の開発及び能力の拡大 1 締約国は、エネルギー安全保障を達成し、及びクリーンエネルギーに係る技術の展開を加速することについて協力する意図を有する。その協力には、適当な場合には、政策に係る討議、技術的分析、知識の移転及び技術の交換であって、任意の、かつ、相互に合意する条件に基づくもの、供与又は労働力の開発を含めることができる。 2 締約国は、法令、政策、基準、最良の慣行及び事業を通じたクリーンエネルギーに係る技術については、急速に拡大する研究及び展開の重要性を認識する。締約国は、次の措置を支援し、採用し、又は維持する意図を有する。 (a) クリーンで、入手可能な及び信頼性のある電力へのアクセスを拡大し、並びに電力供給におけるクリーンエネルギーの割合の増加を奨励する措置 (b) 電力部門においてクリーンエネルギー並びにこれに関連する発電、送電、配電及び蓄電に係る事業のための透明性がある免許の付与、用地の選定及び許可を促進し、並びに二〇三〇年までにクリーンエネルギーの貯蔵のために全体として少なくとも千二百億アメリカ合衆国ドルの投資を促進するという目標を支援する措置 (c) クリーンエネルギーへの移行を支援するための保障措置(社会上、経済上及び環境上の影響評価を含めることができる)を展開する措置 (d) 気候変動の影響に対する強靱性を高めるエネルギーのインフラストラクチャーへの新たな投資を奨励する措置 3 締約国は、締約国が参加する関連する場(経済における水素及び燃料電池に係る国際的なパートナーシップ等)における取組を基礎としつつ、水素に係る規制、規範及び基準の策定に係る技術及び情報の共有について更に協調することの重要性を認識する。 4 締約国は、カーボンリサイクル燃料(合成燃料、合成メタン等)が、化石由来の商品に代替し、及び既存のインフラストラクチャーを利用することにより、他の方法では回避することができない排出を削減することができることを認識する。関心を有する締約国は、世界全体の温室効果ガスの排出のネット削減(排出削減が困難な部門におけるものを含む)となるカーボンリサイクル燃料の研究、開発及び利用を検討する意図を有し、並びにカーボンリサイクル燃料を促進するために必要な取決めを作成するために協調する意図を有する。 5 締約国は、意味のある用途を有する多様な脱炭素化の道筋として低炭素な及び再生可能エネルギーによって生成された水素並びにその派生物(アンモニア等)の重要性を認識する。締約国は、例えば、次の取組により、低炭素な及び再生可能エネルギーによって生成された水素の国際的な市場を支援するために必要とされるサプライチェーンの実現を可能とする主要な要素を形成することによって水素のエコシステムを構築する意図を有する。 (a) 国境を越える水素の取引を円滑にするための規制、枠組み、安全基準及び措置に関する情報及び最良の慣行を交換する取組 (b) 取引の可能性を改善するため、水素及びその派生物の炭素集約度に関する相互に認められた排出算定の方法論、基準及び認証の策定を加速する取組 (c) 水素及びその派生物に必要なインフラストラクチャー及び供給側の能力を特定する取組 (d) 国境を越える運送及び取引を円滑にし、又は新たな用途を促進する水素に係る技術の研究開発を支援する取組 (e) 投資に対する信頼を与え、並びに更なる開発及び展開を奨励するための共同の実験的事業及び実証事業を探求する取組 6 関心を有する締約国は、また、次の事項についての協調を探求することができる。 (a) 既存の微粉砕石炭を燃焼するボイラー(以下「微粉炭ボイラー」という)及びガスタービンにおける水素、アンモニア、メタノール等の多種類燃料の燃焼 (b) 石炭を代替するために最小限の改造を行った従来型の微粉炭ボイラーにおける農業関連のバイオマス及び廃棄物由来の燃料の燃焼 (c) 脱炭素化に向けた経過措置として、硫黄酸化物及び窒素酸化物の排出の観点から、かつ、バイオマスの混焼を通じ、より環境に適合した装置を促進する火力発電のラベル等による表示 7 原子力の利用を支持する締約国は、エネルギー安全保障を確保し、及び入手可能な低炭素のエネルギーを提供するに当たり、原子力及び民生用の原子力協力が果たす重要な役割を認識する。このため、当該締約国は、次のことを行う意図を有する。 (a) 原子力に係る技術の採用を検討する場合には、原子力の安全及び廃棄物管理に関する適正な政策上及び規制上の枠組みが設けられていることを確保すること。 (b) 原子力に係る技術の安全な展開を円滑にするため、国際的な最長の慣行並びに原子力の最高水準の安全、セキュリティ及び保障措置(国際原子力機関によるものを含む)に適合する枠組みを支援すること。 (c) 原子力に係る高度な技術の展開を可能とするための協調を検討すること。 8 締約国は、電力網の統合及び柔軟性を考慮しつつ、規制上の、法的な及び政策上の枠組みであって、エネルギー市場への広範な参加を奨励するものの継続的な改善を通じて、クリーンエネルギー部門の発展を推進するための投資を拡大することの重要性を強調する。
第五条
電化、地域電力網の相互接続、エネルギー効率性及び省エネルギー 化し、及び排出を削減することに寄与するエネルギー効率性の価値を認識する。締約国は、エネル ギー効率性又は省エネルギーに係る措置及び投資を拡大し、及び奨励するための政策を推進し、及 び維持するために協力する意図を有する。その協力には、次に規定することによるものを含む。 (a) エネルギーの効率性及び消費並びに潜在的な費用及び節約についての公衆の意識を高めるため にエネルギー性能基準及びラベル等による表示の制度を利用すること。 (b) 効率性に係るラベル等による関連する表示の制度に関する最良の慣行を共有し、及び当該制度 についての協調を円滑にすること。 (c) 新規及び既存の建築物において、エネルギーの消費又は集約度を減少させ、及び性能を向上さ せるための性能基準及び建築規律を推進すること。 (d) クリーンエネルギー源及びエネルギーの効率的な解決策の採用を奨励することにより、エネル ギー消費の多い商業上のクラスターにおけるエネルギー効率性を促進すること。
2
各締約国は、エネルギー効率性及び省エネルギーに係る制度(エネルギーサービス会社及びエネ
ルギー性能に関する契約によって提供される制度であって、エネルギーの節約及び排出削減を収益
化し、並びにエネルギー効率性への投資を加速することに資するものを含めることができる。)を促
進する意図を有する。
3
関心を有する締約国は、国境を越える電力の相互接続及び取引のための地域的な枠組み(技術上、
規制上及び財政上の枠組み及び基準を含む。)を策定するために協働する意図を有する。関心を有す
る締約国は、次のことを行う意図を有する。
(a) クリーンエネルギーの開発を加速するため、地域におけるエネルギーの相互接続(測定、報告
及び検証の枠組みに係るものを含む。)を奨励すること。
(b) 費用及び排出を削減するための相互に接続された電力網について、当該電力網の共同計画、当
該電力網への投資及び当該電力網の安全な運用を調整し、及び円滑にするための技術上、規制上
及び安全上の措置について協働すること。
(c) 国境を越えるクリーンエネルギー及びサプライチェーンの構築のための効果的な枠組みを支援
すること。
4
締約国は、国境を越える電力の取引を円滑にするための海底電力ケーブルについての協力を探求すること。
迅速かつ効率的な設置、維持及び修理による利益を認識する。国境を越える電力の取引に従事する
締約国は、適当な場合には、当該取引に従事する各締約国の適用可能な国内法令及び関連する国際
法に従って、国境を越える電力の制限されない取引のための安全な送電及び洋上電力のインフラス
トラクチャーの構築を円滑にするために協働する意図を有する。その協働には、海底電力ケーブル
の敷設、維持及び修理についての許可のための手続であって国際法に適合するものの実施並びに他
の締約国の者によって運営され、所有され、又は管理される海底電力ケーブルに対する損害の危険
性の軽減に関するものを含む。
5
締約国は、今世紀半ばまでに又はその頃に世界全体のネットゼロ排出を達成するため、この重要
な十年間に世界の温室効果ガスの排出を即時、大幅、迅速かつ持続的に削減すること(クリーンな
発電及びエネルギー効率性に係る措置の展開の急速な拡大によるものを含む。)の緊急の必要性を強
調する。締約国は、次のことを行う意図を有する。
(a) 再生可能エネルギーの展開を促進し、及び二千三十年までに地域において再生可能エネルギー
のために少なくとも二百億アメリカ合衆国ドルの投資を促進するとの目標を支援すること(事業、
公的部門若しくは民間部門の投資、炭素市場、資金調達又は官民間の連携に対する支援を含める
ことができる。)。
(b) 排出削減対策が講じられていない化石燃料への依存を低減するため、知識、最良の慣行及び技
術的な知見の共有を通じて協力すること。
(c) エネルギー及びエネルギーシステムの信頼性、入手可能性及び利用可能性を維持し、及び確保
しつつ、クリーンエネルギーの利用を拡大し、並びに排出削減対策が講じられていない化石燃料
の利用及びこれへの依存を低減するため、エネルギーシステムを急速に転換する持続可能な道筋
を特定するための高度な計画及び予測技術の展開について協力すること。
6
関心を有する締約国は、地域における農村の住民のために入手可能で経済的に実行可能なクリー
ンエネルギーへのアクセス及びエネルギー安全保障を可能とする小規模の電力網を用いた再生可能
エネルギーに関する解決策を支援するため、能力開発、研究開発、知識の移転及び技術の交換であっ
て、任意の、かつ、相互に合意する条件に基づくものについて協調する意図を有する。関心を有す
る締約国は、更に、再生可能エネルギーに関する小規模の電力網のための設備及び部品の国境を越
える取引並びに関連する技術及びサプライチェーンを可能とするための規則、規制及び枠組みを策
定する意図を有する。
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