その他令和6年9月18日
公安審査委員会におけるAlephに対する処分請求に係る意見聴取及び審査の概要等について
号外p.2 - p.4
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公安審査委員会におけるAlephに対する処分請求に係る意見聴取及び審査の概要等について
令和6年9月18日|p.2-4
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第2 本件処分請求に係る意見聴取の通知等について
1 被請求団体の代表者について
被請求団体の「運営規則」では、運営委員会の「共同幹事は、対外的に本団体を代表する。」とされ、運営委員会の「副幹事は、共同幹事が欠けたとき、その職務を代行する。」とされている。
被請求団体は、公安調査庁長官に対し、令和6年5月14日付け第98回「報告書」(法第5条第5項及び第3項に規定された報告の書面)を「人格のない社団Aleph 運営委員会副幹事 高橋利通」名義で提出した。
被請求団体は、国を被告として東京地方裁判所に提起した再発防止処分取消請求事件(令和5年(行ウ)第210号)において、令和6年6月25日付け「代表者変更届出書」を提出し、「原告の代表者が、2024年5月20日から」、「運営委員会共同幹事 佐々木正光」に変更された旨届け出た。そして、本件処分請求に係る令和6年7月22日付け処分請求書(別添1。以下「処分請求書」という。)には、被請求団体の代表者として下記①の者が記載されていた。
しかし、その後、被請求団体は、公安調査庁長官に対し、同年8月14日付け第99回「報告書」を「人格のない社団Aleph 運営委員会共同幹事 田中重光」名義で提出した。
公安調査庁長官は、同月15日、当委員会に対し、上記「報告書」により被請求団体の代表者の変更が確認され、現在の被請求団体の代表者は下記②の者である旨の「通知書」及び根拠資料を提出した。これを受けて、当委員会としても、現在の被請求団体の代表者は下記②の者であると認めた。
記
① 氏名 佐々木正光
昭和32年2月14日生(当67年)
職業 団体役員
住所 神奈川県横浜市神奈川区新町4番地11
② 氏名 田中重光
昭和33年1月4日生(当66年)
職業 団体役員
住所 北海道札幌市豊平区美園1条3丁目1番24号
2 意見聴取の通知について
当委員会は、本件処分請求を受けて、法第16条の意見聴取を令和6年8月19日に行うこととし、その意見聴取に係る法第17条第1項の通知につき、被請求団体の代表者は前記1①の者であるものとして、同条第2項の規定に基づき同月2日付けの官報で公示する方法で行うとともに、同条第3項の規定に基づく通知書の送付として、同年7月23日、前記1①の者に対し、通知書(「意見聴取期日等通知書」及び「陳述書及び質問書提出告知書」)を送付した。同通知書は、同月24日に配達された。
なお、当委員会は、公安調査庁長官から前記1記載の「通知書」が提出された後、念のため、前記1②の者に対し、同年8月16日付けで上記「意見聴取期日等通知書」と同じ内容の通知書を送付し、同通知書は同月18日に配達された。
第3 当委員会における審査の概要
1 当委員会が行った措置
当委員会は、被請求団体に十分な防御の機会を与えるため、法の予定するところではないものの、当委員会の裁量により、公安調査庁長官提出に係る①処分請求書、②本件通知回答、③証拠書類等目録、④証拠書類等と証明すべき事実との関係を明らかにした書面(証拠説明書)及び⑤証拠の全部(別添3記載の証拠書類等(同記載の番号509を除く。))を被請求団体に開示することとし、これら全てについて、被請求団体に閲覧の機会を付与するとともに、被請求団体の代理人たる弁護士(以下「代理人弁護士」という。)から求めがあれば、上記①ないし④並びに⑤のうち別添3記載の番号1、2、30、91、167、182、211、237、354、438、455及び484(「総括調査書」、「証1」ないし「証11」)の各証拠書類等の各写しを貸与することとして、それらの旨及びその証拠書類等の閲覧日(令和6年8月1日及び同月2日)等を被請求団体に連絡した。
また、当委員会は、被請求団体に対し、前記第2の2記載のとおり送付した「陳述書及び質問書提出告知書」において、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関する規則(平成11年公安審査委員会規則第1号)第7条に定める書面(意見を陳述した書面及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面)を同月13日までに提出するよう求めた。
2 被請求団体の対応
これに対し、被請求団体は、前記1の①ないし⑤の閲覧をせず、代理人弁護士も選任しなかったし、前記1の意見を陳述した書面及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面の提出もしなかった。
そして、被請求団体は、その役職員等が正当な理由なく前記意見聴取期日に出頭せず、かつ、法第20条第3項に規定する陳述書及び証拠書類等を提出しなかった。
3 そこで、当委員会は、法第21条第1項の規定に基づいて意見聴取を終結した上、公安調査庁長官が提出した処分請求書及び証拠書類等につき審査を遂げて、本決定に至ったものである。
第4 当委員会の認定
1 被請求団体が法第5条第4項の処分を受けている団体であること
(1) 当委員会は、平成12年1月28日、法第5条第1項の規定に基づき、「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」に対し、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分を行う決定をした(以下、この決定を「本件観察処分決定」といい、同団体を「本件観察処分対象団体」という。また、上記の松本智津夫を「松本」という。)。本件観察処分決定は、同年2月1日に官報で公示され、その効力を生じた。
そして、当委員会は、本件観察処分対象団体について、いずれも法第5条第4項の規定に基づき、平成15年1月23日、平成18年1月23日、平成21年1月23日、平成24年1月23日、平成27年1月23日、平成30年1月22日、令和3年1月6日及び令和6年1月12日に、順次、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分の期間を更新する旨を決定した(以下、令和3年1月6日の決定を「第7回期間更新決定」、令和6年1月12日の決定を「第8回期間更新決定」という。)。第7回期間更新決定は、令和3年1月25日に官報で公示され、その効力を生じ、第8回期間更新決定は、令和6年1月29日に官報で公示され、その効力を生じた。
(2) 当委員会は、第8回期間更新決定において、本件観察処分対象団体は、その名称を「宗教団体・アレフ」、「宗教団体アーレフ」と変遷させ、平成18年1月23日の前記決定後には、「Aleph」の名称を用いるようになり、第8回期間更新決定時には「Aleph」の名称を用いる集団等を中心として活動している旨を認定した上で、「Aleph」の名称を用いる集団が、本件観察処分対象団体と同一性を有する団体であって、法第5条第4項に規定する「第一項の処分を受けた団体」に含まれると認定するとともに、「Aleph」の名称を用いる集団について、法第5条第1項第1号、第4号及び第5号に掲げる事項に該当し、引き続きその活動状況を継続して明らかにする必要があると認めて、観察処分の期間を更新した。
(3) 被請求団体は、令和6年1月15日に、その名称を「Aleph」から「人格のない社団Aleph」に変更したが、第8回期間更新決定によって観察処分の期間更新決定の効力が及ぶこととされた上記(2)の「Aleph」の名称を用いる集団と同一であると認められる。
したがって、被請求団体は、法第5条第4項の処分を受けている団体に該当する。
2 被請求団体が法第5条第5項において準用する同条第3項の規定による報告をしなかったこと
(1) 被請求団体は、第7回期間更新決定及び第8回期間更新決定により、法第5条第5項において準用する同条第3項の規定に基づき、同項各号に掲げる事項(以下「要報告事項」という。)を、令和5年11月1日から令和6年1月末日までの分については同年2月15日を期限として、同月1日から同年4月末日までの分については同年5月15日を期限として、それぞれ公安調査
(2) 被請求団体の構成員の氏名及び住所(法第5条第3項第1号)の不報告
ア 20歳未満の構成員の氏名及び住所の不報告
被請求団体は、20歳未満の構成員を本件各報告書に記載していない。しかし、①令和5年7月から同年9月中に、被請求団体が活動の用に供する合計6の施設において、62名の20歳未満の者が出入りする状況が確認されていること、②令和4年5月に実施された、被請求団体が活動の用に供する札幌市白石区本通所在の通称「札幌白石施設」に対する立入検査において、在家構成員とみられる者441名の氏名等が入力された名簿データが確認され、同名簿データに、同441名中60名が20歳未満であること並びに同60名中38名が令和4年4月及び同年5月中に同施設を来訪したことが記録されていたこと、③被請求団体自身が、訴訟(東京地方裁判所令和3年(行ウ)第259号)において、20歳未満の構成員がいることを自認していたことなどからすれば、本件報告対象期間に、被請求団体に20歳未満の構成員が存在していたと認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき20歳未満の構成員の氏名及び住所を報告しなかったと認められる。
イ 一部在家構成員の氏名及び住所の不報告
被請求団体は、本件各報告書において、在家構成員につき、「[3] 人格のない社団Alephの構成員の氏名及び住所(居所)(2月報告書)又は「[3] 人格のない社団Alephの出家会員・在家会員の氏名及び住所(居所)」(5月報告書)との記載の下に、「[2]在家会員関係」などと題して、在家構成員の「氏名」、「フリガナ」及び「住所」欄を設けた一覧表の形式で記載している。しかし、本件各報告書では、「あくまでも「在家」に過ぎない会員の一部については、白抜きの扱いとする。」などと記載した上で、当該記載の直下に、上記各欄を空欄にした24行分(24人分)の表を記載していることが認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき在家構成員の一部について、その氏名及び住所を報告しなかったと認められる。
(3) 被請求団体の出家構成員の位階(法第5条第3項第6号)の不報告
ア 第7回期間更新決定及び第8回期間更新決定において、当委員会は、同号の「公安審査委員会が特に必要と認める事項」として、本件観察処分対象団体の構成員に関する出家信徒及び在家信徒の別並びに出家信徒の位階を要報告事項とした。
イ 被請求団体は、出家信徒、すなわち出家構成員の位階を本件各報告書に記載していない。しかし、①令和元年11月14日付け第80回「報告書」(以下「第80回報告書」という。)まで出家構成員の位階が記載されていたが、それ以降、位階制度が廃止されたとほかがわれないこと、②令和6年3月から同年6月までの間に実施された、被請求団体が活動の用に供する各施設に対する立入検査において、「師」、「師補」などの位階が記載された物件が多数確認されていることなどからすれば、本件報告対象期間においても、被請求団体が引き続き位階制度を設けており、出家構成員が位階を有していたと認められる。
ウ したがって、被請求団体は、報告すべき出家構成員(出家信徒)の位階を報告しなかったと認められる。
(4) 被請求団体の活動の用に供されている土地又は建物の所在、地積(規模)及び用途(法第5条第3項第2号及び第3号)の不報告
ア 通称「水口施設」の不報告
被請求団体は、滋賀県甲賀市水口町所在の通称「水口施設」(以下「水口施設」という。)について、その土地及び建物の所在、地積(規模)及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、水口施設は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①水口施設は、その土地及び建物につき、被請求団体の出家構成員が所有名義人となっているが、後記(5)イ(ア)のとおり、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」によって、出家構成員による資産所有は認められておらず、その全てを被請求団体に布施することとされていること、②令和6年4月に実施された水口施設に対する立入検査において、松本の写真、法具及び生活用品などが確認されていること、③本件各報告書に記載された出家構成員の一覧の中に、水口施設の所在地を住所とする出家構成員3名が記載されていること、④被請求団体が出家構成員を施設に集団居住させながら立位礼拝などの修行を行わせていることなどの事実関係に照らせば、水口施設は、出家構成員の修行の場として、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている土地及び建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき水口施設の所在、地積(規模)及び用途を報告しなかったと認められる。
イ 通称「甲賀信楽施設」の不報告
被請求団体は、滋賀県甲賀市信楽東町所在の通称「甲賀信楽施設」(以下「甲賀信楽施設」という。そのうちの別棟東側の部屋が別紙物件目録記載16の建物である。)について、その土地及び建物の所在、地積(規模)及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、甲賀信楽施設は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①甲賀信楽施設は、その土地及び建物につき、出家構成員が所有名義人となっているが、後記(5)イ(ア)のとおり、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」によって、出家構成員による資産所有は認められておらず、その全てを被請求団体に布施することとされていること、②被請求団体が出家構成員を施設に集団居住させながら立位礼拝などの修行を行わせていること、③本件各報告書に記載された出家構成員の一覧の中に、甲賀信楽施設の所在地を住所とする出家構成員5名が記載されていること、④令和6年4月に実施された甲賀信楽施設に対する立入検査において、生活用品などが確認されていることなどの事実関係に照らせば、甲賀信楽施設は、出家構成員の修行の場として、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえる上、後記(5)イのとおり、被請求団体が営む収益事業の1つと認められるVBシステムの事業所としても、その一部が用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている土地及び建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき甲賀信楽施設の所在、地積(規模)及び用途を報告しなかったと認められる。
ウ 通称「北越谷施設」の一部の不報告
被請求団体は、埼玉県越谷市北越谷所在の通称「北越谷施設」(全10室からなるマンション1棟。以下「北越谷施設」という。そのうちの301号室、303号室、401号室及び402号室が別紙物件目録記載15の建物である。)のうち、201号室、301号室、303号室、401号室及び402号室(以下「201号室等」と総称する。)の所在、規模及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、201号室等は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①201号室等を含む北越谷施設の全10室について、後記(5)イのとおり、被請求団体が営む収益事業の1つと認められる合同会社宝樹社(以下「宝樹社」という。)が所有名義人となっており、かつ、賃貸人を宝樹社、賃借人を被請求団体として、令和元年6月1日から令和6年5月31日までの間、同10室を一括して「事務所、住居、倉庫」として賃貸する旨の令和元年5月31日付け賃貸借契約書が作成されていること、②同契約書に「事務所」として賃貸する旨記載されているとおり、令和5年6月、令和6年4月及び同年6月に実施された北越谷施設に対する立入検査の際、同施設施置のパソコン内に被請求団体に係る出納記
録が保存されていたこと、③被請求団体においては、201号室等を含む北越谷施設が経理関係などを司る事務所等としての機能を有していると認められることなどの事実関係に照らせば、201号室等は、被請求団体の事務所等として、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき201号室等の所在、規模及び用途を報告しなかったと認められる。
(5) 被請求団体の営む収益事業の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)(法第5条第3項第6号)の不報告
ア 第7回期間更新決定及び第8回期間更新決定において、当委員会は、同号の「公安審査委員会が特に必要と認める事項」として、本件観察処分対象団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。以下、この項において同じ。)の営む収益事業(いかなる名義をもってするかを問わず、実質的に本件観察処分対象団体が経営しているものをいう。)の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)(以下「収益事業の種類及び概要等」と総称する。)を要報告事項とした。しかし、被請求団体は、次のイ記載のとおり被請求団体の営む収益事業であると認められる、ⓐ合同会社キャラバンエンタープライズ、ⓑ合同会社徳行、ⓒ合同会社サポート・オブ・ライフ、ⓓ合同会社栄光、ⓔ宝樹社、ⓕ合同会社プラナボルテ、ⓖ有限会社奏文堂、ⓗ有限会社ブレイン・マネージメント、ⓘアンビシャス及びⓙVBシステム(以下、これらの10の収益事業について、単に、その名称を省略し、「ⓐ」、「ⓑ」のようにいう。)について、これら収益事業の種類及び概要等を本件各報告書に記載していない。
イ 以下のとおり、被請求団体は、ⓐないしⓙの各収益事業を営んでいるものと認められる。
(ア) 各収益事業の出資者等がいずれも出家構成員であるところ、出家構成員による資産所有は禁じられていること
ⓐないしⓙの各収益事業に係る定款及び「同族会社等の判定に関する明細書」等により認められる出資者は、いずれも出家構成員と認められる。また、ⓐないしⓙの各収益事業に係る履歴事項全部証明書の「社員に関する事項」又は「役員に関する事項」に記載された「業務執行社員」、「代表社員」及び「取締役」、ⓐについて第80回報告書に記載された「事業の責任者」並びにⓑについて平成30年2月14日付け第73回「報告書」(以下「第73回報告書」という。)に記載された「事業の責任者」も、いずれも出家構成員と認められる。
そして、かかる出家構成員については、松本が、「諸君は出家し、シャモン生活を営んでいる。」、「オウムのシャモンの生活は不所有である。」などと説法するなど、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」が存在し、出家構成員による資産所有は禁じられており、実際に、ⓐないしⓓ、ⓕ及びⓗの出資者とされる者等が、陳述書(平成27年(ワ)第12143号 株主名簿書換請求事件)又は「平成28年(ネ)第4818号 株主名簿書換請求控訴事件」などと記載されたもの。)で、「出家構成員に資産はない。」、「法人の持分は被請求団体に帰属する。」旨記載している。
(イ) 各収益事業の従業員が出家構成員であること
ⓐないしⓕ及びⓗの各収益事業に係る給与関係資料等により特定されたⓐないしⓕ及びⓗの従業員は、いずれも出家構成員と認められる(なお、ⓖについては、証拠上、責任者以外の従業員が確認されていない。)。
(ウ) 各収益事業の本店所在地が被請求団体の管理施設であること
ⓐないしⓙの各収益事業に係る履歴事項全部証明書に記載された本店の所在地、ⓐについて第80回報告書に記載された「事業所の所在地」はいずれも、本件各報告書において、被請求団体が「3 人格のない社団Alephの活動の用に供されている建物の所在、規模及
び用途」と題して報告した建物の所在地又は「7 任意報告」、「(1) 人格のない社団Alephの出家会員が人格のない社団Alephの会員を対象として営む法人等の事業所等の建物の所在、規模及び用途等」と題して報告した建物の所在地と認められる。
また、ⓐについて第73回報告書に記載された「事業所の所在地」は、甲賀信楽施設の所在地であるが、同施設が被請求団体の活動の用に供されている建物に当たると認められることは、前記(4)イのとおりである。
(エ) 各収益事業の事業内容が在家構成員への指導や物品販売等であること
ⓐないしⓙの各収益事業のうち、ⓐないしⓗの各収益事業の事業内容は、被請求団体の活動の用に供されている各施設の管理や当該施設を含むエリアに所在する在家構成員への物品販売及びセミナーの実施等を行うことであると認められ、ⓘないしⓙの各収益事業の事業内容は、法人格のない被請求団体に代わってその名義で施設を取得の上、同施設を管理し、被請求団体の活動の用に供することのほか、被請求団体の構成員に提供するための食品を含む物品の販売及び被請求団体の機関誌の印刷等を行うことであると認められ、いずれも被請求団体の活動の一部をその事業として行っているものといえる。
また、そのことを裏付けるように、複数の収益事業の代表者らが陳述書(平成27年(ワ)第12143号 株主名簿書換請求事件)又は「平成28年(ネ)第4818号 株主名簿書換請求控訴事件」などと記載されたもの。)で、収益事業が被請求団体の活動の一部門である旨記載し、被請求団体自身も訴訟(さいたま地方裁判所平成30年(ワ)第1673号)において、これと同旨の主張をするなどしている。
(オ) 収益事業の運営の実際
前記(ア)ないし(エ)のほか、被請求団体がⓐないしⓙの各収益事業を営んでいることを指し示す事情として、①北越谷施設は、被請求団体の経理関係などを司る機能を有しているところ、同施設を住所とする出家構成員らが、ⓐないしⓙのうち複数の収益事業に係る従業員も兼務しており、これらの収益事業の経理関係の業務を担当していることがうかがわれる。
また、②被請求団体が平成26年11月13日付け第60回「報告書」等において「出家会員が会員を対象として営む事業体」として記載していた「行晃」という収益事業に関し、被請求団体自身が前記訴訟において、「行晃」の経理面を担当させるため、被請求団体の指示により出家構成員を「行晃」に配属させた旨の主張をしていた事実が存在する。
さらに、③被請求団体が前記訴訟において、被請求団体の指示で出家構成員を各施設に配属させていた旨主張し、これを裏付けるように、例えば、ある出家構成員の就業先がⓐからⓑ、ⓑからⓓと変遷するのに合わせて、その住所がⓐの関連施設からⓑの関連施設、ⓑの関連施設からⓓの関連施設に順次、変遷するなど、被請求団体の出家構成員の就業先と住所に対応関係が認められる。
(カ) 従前の報告状況等
被請求団体は、ⓐないしⓙの各収益事業についてそれらの前身も含め、第80回報告書まで、について第73回報告書まで、それぞれ長期にわたって継続的に報告し続けてきたものであり、第80回報告書又は第73回報告書提出以降、これらの各収益事業の経営体制や事業内容等に変化が生じたというような事情もうかがわれない。
(キ) 以上のとおり、ⓐないしⓙの各収益事業については、その人的側面((ア)及び(イ))、物的側面((ウ))及び活動的側面((エ))のいずれの観点からも、被請求団体がこれらを営んでいることと整合する事実関係が認められるほか、実際の収益事業の運営状況を見ても、被請求団体がこれらの各収益事業を営んでいることを指し示す事情が存在する((オ))上、被請求団体は、従前、これらの収益事業について継続的に報告してきたのであって((カ))、以上の事実関係を総合すれば、被請求団体は、本件報告対象期間中も継続して、ⓐないしⓙの各収益事業を営んでいたと認められる。
ウ したがって、被請求団体は、報告すべきⓐないしⓙの各収益事業の種類及び概要等を報告しなかったと認められる。
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